後継者・跡継ぎの役割は2つあると思っています。
一つは、今後数十年にわたってさびれない価値を社会に提供すること。
二つ目は、それができる組織を作ること。
今日は主に、この二つ目の「組織」の学習について考えてみます。
本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。
——————————————
■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ
■YouTubeチャンネルで動画配信も行っています!こちらをご覧ください。
■時々読書会をやっています。開催情報はこちらをクリック
私が考える後継者の役割を、非常に凝縮した形でお伝えするとすれば、こうなります。
「これから数十年にわたって社会に価値を提供できる商品・サービス、ビジネスモデルを生み出す(あるいは出会う)こと」
簡単に説明すると、企業が寿命を迎えるのは、たいてい商品・サービス、ビジネスモデルが社会の進歩についていけなくなった時です。
もっとシンプル化して言うと、事業承継というのは、新たなビジネスを起業することです。
これを従来のビジネスと並行して行い、従来のビジネスで蓄積してきた財(有形・無形をとわない)を活用することで新ビジネスを生み出す。
そういう過程だと思っています。
模式図にすると以下のような感じになります。
親の代で起業したとすると、親はまだ社会に認められていない商品やビジネスモデルを市場に持ち込みました。
苦労してその商品やビジネスモデルが社会で認められ始めたころ、先代は40歳から50歳くらいでしょうか。
このころに利益はピークに至り、しかし次第に競合商品や代替商品の出現で利益がとりにくくなってきます。
その気配が見え始めたころ、子どもである後継者が入社します。
一般的な流れで行くと、「これまでのビジネスにテコ入れ」することでかつての勢いを取り戻そうとしがちですが、残念ながらそれは難しい。
それなりに大きな転換が必要となってくるのです。
例えば商品そのものはまだまだ市場のニーズに耐えうるかもしれませんが、売り方や売る場所を変える必要があるかもしれません。
今までは見向きもしてくれなかった層にアピールする必要があるかもしれません。
そしてやはり商品やビジネスその物を転換する必要がある場合も少なからずあると思います。
ただ一つ言えることがあるとすれば、何かを変えずして、会社の存続は難しいという事でしょう。
では、どのように変化をさせるか、と考え始めたとき、ピタッとスイッチ気が切れたように動けなくなる人は多いようです。
なぜなら、これまでは、ライバルを見て、ライバルより良い条件を出すことに躍起になっていたからです。
つまり独自の戦略を取った経験はほとんどないのではないでしょうか。
よくある話が、同業他社のDMやプロモーションやセールストークを丸パクリすることがよくあります。
それで一時的には効果が出るかもしれませんが、効果が出なくなった時、自分たちで考え、修正することができないのです。
つぎもまた、パクるためのお手本探しを続けなくてはなりません。
そもそも誰もやっていない未知の世界へのチャレンジは、そういったことを続けている限りできるはずもありません。
お手本がない事はできないのですから。
そういった創造性をきたえるには、実は、試行錯誤がとても大切なのです。
人は「経験」することで、ものすごい情報量を五感で受け取っています。
そういった過程で学習し、うまくいかないことはそれを修正する方法を考え、という繰り返しがとても重要になります。
誰かのパクリではなく、自分のオリジナリティを作るのは、ただ腕組みをして唸っているより、いろんなことを試した先に出来上がることが多いものです。
そのコツは、小さな失敗を繰り返す、という事です。
なにか、どんな稚拙なことでもいいから、今までとは少し違ったことをやってみます。
その結果を、みんなで検証してみます。
その時に大事なのは、問題を分解することです。
たとえば、看板を立てたけど人が来ない、としましょう。
ここでまず仮説を立てます。
そもそも人はその看板に気付いているのか?
気付いているかいないかは、コッソリ観察していればわかります。
そして気付くような工夫をしてみる。
それでも人が入らないなら、看板のメッセージに問題があるのかもしれません。
看板のメッセージを読んでくれているのに、店を眺めるだけで終わるなら、店に入りにくい状態なのかもしれません。
そんな小さな経験を積み上げることで、だんだんと望む結果に近づいていきます。
実はこの経験はかけがえのないもので、次に似たような問題がおこった時、スタッフは同じ流れで解決できるのではないでしょうか。
これは、他社のDMや他社の看板をマネしているだけの組織ではたぶんできないステップでしょう。
しかし私なんかは、こういったステップがあまりに煩わしくて、全部私が答えを言ってました。
すると、組織は、「リーダーがもっている答えに合わせて動く」ようになります。
つまり、残念な組織になってしまいます。
きっとリーダーは社員が答えを見つけるとても大事な「機会」を奪ってはいけないのです。
自分達で試行錯誤を繰り返し、答えを見つけ出すまでやり続ける組織は強い。
会社の未来を考えるなら、そんな組織づくりを意識すると、後継者にとっては強い味方になってくれるのではないでしょうか。
本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。
——————————————
■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ
■YouTubeチャンネルで動画配信も行っています!こちらをご覧ください。
■時々読書会をやっています。開催情報はこちらをクリック