私達後継者が見てきた「親の背中」ってどんなものだったでしょうか?
会社では頑張って働いているのかもしれませんが、後継者が目にするのはうちにいる姿です。
疲れ切って帰ってきて、ビールを飲みながらナイター中継を見る。
仕事してきた親優先で家のなかが回る。
親は仕事のことを笑顔で語ることはなくて、苦労話しかしない。
こんなに大変な仕事をお前たちのために頑張ってやってるんだ、と言い聞かされる。
そして思うのです。
「ああ、親の仕事は大変なんだ。楽しそうには見えないな」と。
誰がそんな仕事を継ごうと思うのでしょうか?
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跡継ぎ・後継者が、子どものころから毎日見ている親の姿は、疲れ果てて、ゴロゴロしている姿です。
二言目には、「お父さん、お母さんはお前のために大変な思いをして働いている」なんて言われます。
ああ、自分は親を大変な思いにさせて、
しかも仕事というのは嫌なものなんだ。
そんな思いを子どもの心に焼き付けてしまいがち。
これは、「自分を尊重してほしい」という親世代の経営者特有の行動パターンです。
親世代の人たちは悪気はないんですが、「こんなに頑張って働いている自分を、子どもたちは尊重すべき」という重いからこういう態度をとります。
だから、仕事の楽しさやつまらなさと、親の態度は無関係です。
本当はちゃんと自分の眼で見たほうがいい、と思います。
例えば私の場合はどうだったかというと、やはり父は会社から帰ると、
当時、家庭での娯楽の王様「テレビのチャンネル権」を完全に握り、毎晩ナイターを見ていました。
毎晩二時間もテレビの前に座り、そのあとはニュース番組。
つまり、家に帰ってからの時間はすべて、テレビを見ながら過ごす。
そして、仕事は大変である、という話は何度も聞きましたが、仕事が楽しいという話は一度も聞いた記憶がありません。
母親は、父のことを「仕事が趣味」と言いましたが、そんなにしんどいことを趣味にするって、変だな、なんて思っていました。
けど、実際のところは、仕事が大好きなわけです。
その証拠に、60歳になっても、65歳になっても、70歳になっても、75歳になっても、仕事を引退しようとはしません。
なのに楽しそうじゃない理由は、先に話した通り「楽しいことを楽しくやってる」と思われたら自分の価値が下がると思っているのです。
親が自尊心を保つためには、「楽しくないことを、お前たちのために頑張ってやっている」という絵面が必要なのです。
そして子供が自分の会社を継ぐという決断をしたとき、親が喜ぶ理由は、「自分の努力を子どもが認めてくれた」と感じるからです。
楽しそうに見えないのは、親の戦略といっておきましょう。(本人は無意識なので気づいていないと思いますが・・・)
で、結論めいた話をすると、私たち後継者はどうしても親のフィルターを通して世界を見がちです。
例えば私の場合、大学進学は「心理学を学びたい」というおぼろげな自分の思いをそこに沈めて、親の「経済学部か法学部でなければ食っていけない」という言葉で法学部を選びました。
そうあるべき、という世界を親の言葉というフィルターを通してみていたわけです。
だから楽しくなさそうに見えるのは、親がフィルターをかけて見た世界を、さらに親が自分の価値をあげようとはさんだフィルターを通して表現しているからです。
図らずも親は自分の仕事を楽しくないように表現しています。
あるコーヒーショップを運営する会社の後継者が私のところに相談に来ました。
将来が心配なんだと。
けど、彼は仕事の話をするときの表情は明らかに明るかった。
本人は気づいていなかったけど、仕事が大好きなんです。
それを指摘すると彼は、「そうかもしれません」と、スキップする勢いで帰っていきました。
彼は、きっと今日も楽しそうに仕事をしている事でしょう。
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