ある女子社員の告白

「あの人の下ではもう仕事はしたくない」
ある会社の女子社員は、こうつぶやきました。
理由を尋ねると、こんな表現をしていました。
「あの人の道具のように使われるのは、もうウンザリなんです」
彼女の身に一体何があったのでしょうか。

 

中小企業二代目サポーター
田村薫です。

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その女子社員は、ある上場企業に勤めています。
キャリアはすでに7年目。
実務もそつなくこなし、有能な部類だとおもいます。
しかし、ある時に話を聞くと、今の職場がたまらなく嫌なのだとか。

理由はどうやらその部署をまとめるリーダーにあるようです。
そのリーダーの方のことは、私もよく知っています。
良くも悪くも、ザ・サラリーマン、といったタイプの方。
自分の出世に対しては、並々ならぬ執着を持っています。

 

まるで視界を狭められた競走馬のように、出世だけに集中しているタイプ。
こういった視野狭窄は、会社を危険にさらします。
この部署では、毎年複数名がうつ病で会社を長期にわたって休んでいます。
挙げた成果も高ければ、会社に対する損害も果てしない額だったわけです。
その人はその後、出世していきましたから、ご自身の目的は完遂、残された現場には屍の山。
イナゴの大群のように、会社のリソースを使い捨てて、自身の出世のパワーに転換されていきました。
ゆとりのある大企業だからこそこんな管理職が成立しますが、中小企業では死活問題です。

 

ところで、件の女子社員。
彼女が職場の何に不満かというと、その上司の魂胆が透けて見えるからです。
上司が考えているのは、自分の昇進だけ。
自分たち部下はその道具に成り下がっている状況に耐えられないというわけです。

 

世の中には、自分勝手な目標を掲げて走り出すリーダーはごまんといます。
日本一の企業にするとか、世界企業を作るとか。
身勝手に見えるこれらのリーダーには、
「ったく、うちの大将には困ったもんだ」
なんて言いながら同じ夢に向かってともに働くパートナーがいるものです。

では、身勝手な起業家と、出世欲にかられた大企業の管理職、この間に一体どんな違いがあるのでしょうか。

 

一つは、自分の外にある夢を共に見せたということではないかと思います。
起業家は、自分の野望ではあるけど、自分の地位確保を夢として語ったわけではなさそうです。
しかし、管理職は自分のために働け、と言わんばかりのことが多かったようです。
もちろん、口に出してそんなことは言いませんよ。
出てくる話は、量的目標。
それを達成したときの未来を、部下は描けない。
部下が描く未来は、自分たちを後に残し、昇進する上司と、疲れ切った自分たちの姿。
これではついていく気にはなれません。

目標を設定したとき、その先の未来に夢を見ることができないと人は動きません。
ダイエットサプリを買う人は、買う時点でダイエットが成功した自分を心に描いています。
高級外車を買う人は、買う時点でその車を運転している自分を心に描いています。
ステキなマイホームを買う人も、マイホームを買った先の生活を心に描くわけです。
だから、高額な支出でも、思い切って動くことができます。

しかし、かの管理職の目標はどうでしょうか。
数字を達成した先にあるのは、いけ好かない管理職の昇進。
そこに夢は描けませんよね、普通。
なかには、スネ夫的に(?)、昇進した管理職の方が自分を引き上げる未来をイメージして、ゴマをする器用な人もいるのでしょうが。

 

メンバーに夢を見せるのは、リーダーにとって一つの重要な責務だと思います。
それが社員のモチベーションにも影響するし、心身の健康にも及ぶ話です。
ここでよくやるのが、量的目標。
売上対前年比、120%とかね。
じゃあ、社員一人一人は売り上げ目標達成したら、どんな夢が描けるのでしょう。
収入も20%アップ?
だとしても、「そんなのあたりまえじゃん。120%の成果を出したんだから」と思いますよ。
すでにガッカリなんです。
そのていどか、と。
けど会社の仕組みとして、売上が120%上がったって報酬を20%増しなんてできません。
つまり、スタートがマイナス。

だから、共有できる夢が必要なわけです。
一緒にこんなことができたらすごいよね、って思える夢。

 

その前提として必要なのが、社員をキチンと「人」として扱う事。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、意外とできていないものです。
社員が定着しないとか、社内の雰囲気が悪いとか、社員のモチベーションが上がらないとかいう悩みがあるとすれば、社員を「人」として扱っていない可能性があります。
業績達成の「道具」として扱っているわけです。

いえいえ、そんなことはありません。
ブンブンと首を振るかもしれません。
しかし、往々にして即座に否定する人ほど、無意識にやっている事も多いものです。
そんな人ほど、この機会にご自身の立ち位置を確認してみるのがいいかもしれませんね。

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