自分の声を録音したとして、その声を嫌いだ、という人は多いと思います。
動画や写真に写った自分を見て、違和感を感じる人も結構いるんじゃないでしょうか。
これは、人が自分を見るときのある特性が影響しています。
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何かで録音された声を自分で聞くと、どうも落ち着かないものです。
こんな声のはずがない、という気持ちになります。
なぜかというと、自分で聞く自分の声は、頭蓋骨で響くから他人が効くのとはは違う自分の声を聴いてるわけです。
録音された声を聴いて、「なんだか違うな」で終わればいいのですが、多くの人はこういいます。
「録音された自分の声は好きではない」と。
考えるに、これは自分がもつ自分のイメージが影響しているのではないかと思います。
自分の知ってる声は別の声で、それが自分である。
録音された声は、そんな自分の認識とズレているから、受け入れられない。
そんな風に受け止めるのではないかと思います。
人は、自分がイメージした自分とズレるのが、気持ち悪いのです。
後継者の中には、自信がないという人が多い。
それはいろんな要素が絡み合っているのですが、そのうちの一つがこの「録音された声がキライ」という感覚と似た状況があります。
録音された声がキライなのは、「自分の声はこういう声であるはずなのに、録音した声はそのイメージとは違う」からです。
これはいいかえると、自分がイメージした世界があって、そのイメージとズレているからいやなのです。
これは声だけではありません。
行動や能力もまた同じような感情をいだくことがあります。
たとえば、自分は足が速いと思っていたが、実際に測ってみると決して早くはなかったとします。
そうすると、たまらなくその自分の能力の低さに嫌悪感さえ感じます。
自分はこんなことではいけない、と。
そういった、イメージと自分を合わせていく、という思いは時に「向上心」として作用します。
しかし、そのギャップを埋めようと動いているのに一向にその差が埋まらなければ、ふがいない自分を責め始めます。
そして次第に、無力感を感じるようになります。
こんなに頑張っていても、自分はこの程度なんだ、と。
会社の仕事は誰よりもうまくできる自分。
どんなピンチも涼しい顔で切り抜ける自分。
社員の人望の厚い自分。
誰もが自分を尊重する状況。
後継者のもつイメージがこんな風だと、そこから外れた現実はもはや嫌悪感しか感じられなくなります。
そして、ヤル気も自信も喪失して途方に暮れる。
なんだか一人芝居状態なんですね。
もちろん、理想の自分象があって、そこに向かって努力することは素晴らしいことです。
人はそうやって成長するのですから。
しかし、その理想の姿とのギャップを理由に、自分を罰するのはやめましょう。
「なんでこれくらいのことができないのか」「なんで自分はこんなにうまくできないんだ」
そんな風に自分を責めても、百害あって一利なし。
録音された声を聴いて、
「なんで自分の声はこんな声なんだ」
なんて自分を責めても仕方のないこと同様、
今の自分を責めても意味がないのです。
声の話なら、自分の声を変えようとは思いません。
けど、仕事のことや会社のことは、他人が関係してくるので厄介です。
だんだんとその原因を人や組織や、会社や社会のせいにしがちです。
だから、そういった周囲を動かすことで、自分の理想に近づこうとするのです。
そして周囲を動かそうとすればするほど、周囲から距離を取られてしまうという、笑えない結末に陥りがち。
こうなっちゃうと、泥沼ですね。
いや、たぶん「自分に自信がない」と頭を抱えている人は、すでにそういう状態に片足を突っ込んでるかもしれません。
声の場合、解決策は簡単です。
自分はこんな声なんだ、と受け入れて慣れればいいのです。
じゃあ、自分の能力は行動は・・・と考えると、おんなじことです。
まずは自分ってこういう状態だよね、ということを受け入れればいいんです。
そういう時は、自分の嫌な部分、足りない部分を意識してるはずです。
しかし、公平にいきましょう。
イヤな部分や足りない部分だけじゃなくて、出来てる部分、いい部分にも着目してください。
何しろ人は、強みでしか成果を上げることはできません。
出来ないことを数えてできるようにしようというより、出来ることを突き抜けさせる方が成功への近道です。
出来ることをアピールし、そこに打ち込む時間やそれを活かせるシーンを増やす。
それが後継者がとるべき戦略だと私は思っています。
そもそも、自分でいだいている後継者としての理想像なんて、何の根拠もないものです。
誰かに押し付けられたイメージでしかありません。
そんなイメージは捨てて、まずは自分の声や能力や特徴を受け入れましょう。
そうすると、必要最低限の自信は手にすることができると思いますよ。
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