後継者の「希望」はどこにある?

親の会社を継ごうという後継者と話をすると、目の前の問題のことはたくさん伺います。
しかし、自分は最終的にこうなりたい、こういう会社にしたい、という話を聞くことはあまりありません。

単に、めったに話すことができない悩みを打ち明けてくれているだけのかもしれません。
しかし、そこにとらわれすぎると、脳の構造は「問題に注目するように変化」してしまうそうです。

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「脳内の神経束はたった1時間繰り返し刺激を受けただけで、シナプス結合部分の数が2倍になる」らしい。
簡単に言うと、特定の刺激に対して脳が非常に敏感になるのに、たった1時間の繰り返しの刺激があればいい、ということです。
もっとわかりやすく言うと、悩み事に注目していると、脳は悩み事にフォーカスするよう構造変化を起こすのです。

ちょっと私にとっては衝撃的な話なのですが、逆に言うと「自分が求める状態」を意識し続けると、やはりたった一時間で、自分が求める状態を実現する情報への感度が高まるということも言えそうです。
どうも、脳は負であれ、正であれ、スパイラルを作るような構造を持っているようです。
負の感情は負の情報を呼び込み、正の感情は正の情報を呼び込む。

私は「悩みにフォーカスすると、悩みに力を与えてしまう」とよく言うのですが、まさにそんな感じなのかもしれません。

 

厄介なことに、人は見えないことに思いを馳せることはできません。
悩みの先にあるもの、障害を越えて得たいものがはっきりしないことには、やっぱり目の前の障害に注目せざるを得ません。
すると障害を発見する回路は強化され、次から次へと障害を見出してしまう・・・と(苦笑)

誰しも、これまで生きてきた中で、クラブ活動だったり、受験勉強だったりで、苦しいシーンを乗り越えた経験の一つや二つはあるでしょう。
一番苦しいときには、きっとこう考えたと思います。
「この苦しささえ乗り越えれば、〇〇がある」
この〇〇に当てはまるものがあるから、きっと乗り越えられたんですね。

精神科医・心理学者であるヴィクトール・フランクルは、自分が強制収容所でいたときのことを記した「夜と霧」という著書の中でこんなことを言っています。
収容所で最も死者が多く出るのは、クリスマスの翌日だ、と。
クリスマスには収容所から出て、家族と会えるに違いない、という希望が収容所の人々を生き永らえさせ、
クリスマスの翌日の朝、自分がまだ収容所にいる現実を知って望みが実現しないことを実感した時、息絶えるのだと言います。

後継者に限らず、乗り越えた先にも苦難しかない、というふうに感じたとき、人は力尽きます。

私も会社を辞めたいと思ったことがありますが、その時はまさにそんな状態だったと思います。
だからあるいは、親の会社を辞めたい、という後継者の方は、未来の希望を見失っているのかもしれません。

 

これは再現性があるかどうかはわかりませんが、私はこういう経路をたどりました。
まず自分のできないことを数え上げることをやめ、「自分にできることは何か?」を追求しました。
そして、それを会社の中で活かすにはどうすればいいか?を考えました。
さらに言えば、後継者が感じがちな疎外感は、自分が社員のことを受け入れていないことが原因と気づきました。
だから、社員を気持ちの上で受け入れ、信頼し、頼ることをおぼえました。
出来ないことは頼ればいい・・・というか、苦手なことを自分でやろうとすることは傲慢とさえ思うようになりました。

それで今のところはそこそこうまくいっています。
もちろん、問題もたくさんありますが、もう問題に力を与えることはしません。
問題発見に最適化した脳に戻るのは勘弁してほしいと思っています(苦笑)

だんだんと世捨て人っぽくなってきてますが、意外と居心地は悪くないです。

まあ、会社を通じて、社会を実現するぞ!的な大きな目標、あるに越したことはないと思います。
私もそんなことをいろいろ考えた時期もありましたが、どうも自分的にしっくりこないんですね。
自分はそんなに道徳的なタイプではないですから。
だったら、とりあえず毎日がそれなりに楽しいというか、充実した状況を作る、というのが当座の優先事項です。
義務感から何かをすることをできるだけ辞めています。

そうすると、きっと快適空間を作るための脳回路ができあがっていい感じになるんじゃないかと思っています。
実感としてアンテナに引っ掛かる情報はずいぶん変わってきましたから、当面はこれで行こうと思っています。

どんな物事にフォーカスするのか。
一度、考えてみてもいいのではないでしょうか。

 

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Martin WinklerによるPixabayからの画像

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