後継者

他人の評価が気になる後継者がそれを気にしなくなるコツ

「私、二代目なんです」
そんな風に言うと、あいては「あぁ……」とちょっと見下した目になる。
「あぁ」の後には、「だから頼りないんだ」「だから線が細いんだ」なんていうネガティブな言葉が続きそうな気がする。
そして自分が親の会社を継ぐ立場であることそのものが、コンプレックスになる。
そんな経験ないでしょうか?

はい。
私はあります。

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高校生の頃、なんとなくクラスに溶け込めない時期がありました。
別にいじめられてるとか、仲間外れにされてるわけではなかったと思います。
けど、なんとなくなじめなかったんですね。

それはそれで寂しいものがあるから、どうにかうまく溶け込もうとする。
けど、なかなかうまくいかない。
そんな時期がありました。

そうなると、そもそも自分がどこかおかしいのかな?
なんて思い始めます。
妙に周囲の反応が気になって、電車の中で見ず知らずの女子学生が笑っただけで
「あれは、自分を見て笑ったのかもしれない」
なんて妙な心配と、気まずさを感じてしまう。
そんな多感(自意識過剰?)な時期もありました(笑)

だんだん生きづらくなって、もうそういうこと考えるのはやめよう。
女子学生が笑ってるのなら、「俺、けっこうモテてるんちゃうん!?」と無理やり思うようにしました。
すると、次第に本気でそんな風に思うようになりました。

で、またある日、女子学生が笑ってます。
ああ、今日もモテてるなぁ、なんて思ってたらズボンのファスナーがあいていて、シャツが飛び出していたという陳腐なお笑い劇みたいなこともありましたが・・・汗

 

ちょっと脱線しましたので、話を元に戻しましょう。
跡継ぎであることにコンプレックスがあるとか、
自分がなんとなく弱い存在に見えるとか、
周囲の評価が気になるとか、
そういう感覚って、実は自分の評価を他人にゆだねている、ということです。

もう少し突っ込んで言うなら、自分を評価する他人の様子を見て、自分を把握している状態と言えます。

ちょっと変わったことをやったとします。
周囲の人が渋い顔をしたとします。
その渋い顔を見て、「ああ、これはやっちゃいけないんだ」とわかる。
そしてやらないようにする。

 

この時に、自分がやりたいかどうかではなくて、周囲の人の顔色を見て自分の行動を決めていることになります。
これをずーーっと続けていくと、よく言う「やりたいことがわからない」状態になります。
なにしろ、自分の考えではなくて、他人の評価のために動いているのですから。
後継者は、やりたいことがわからない、取り立ててやりたいこととかない、という人がけっこういます。
それは恐らく、他人の顔色で行動を決める癖がついているからじゃないかと思います。

これは癖ですから、無意識にやってしまっています。
癖を直すには、まずはそういう癖がある、ということに気付くことから始める必要があります。
この文章を読んでくださった方は、きっと今自問自答されてることでしょう。
「自分はどうだろう・・・?」と。

そこで自分の癖に気づくことができれば、しめたものです。
あとは、自分の癖が出たときに、意識して方向を修正すればいいだけです。
「ああ、二代目か」とさげすむような眼で見られたときに、「ああ、自分はダメなんだ」と考える癖がついていたことに気付いたとしましょう。
その都度、「そう、二代目だよ。だから血筋が君たちとは違うんだよ」(←こういう転換の仕方はどうかと思いますが極端な例として)と考えるとかですね。
もうちょっと普通っぽいところで言うと、「だからなに?」って感じですね。

もう一つのコツは、隠したい自分の弱さをさらけ出すこと。
こんなことを言ったら、周囲からバカにされそう、と思っていることを口に出してみます。
後継者なら、「俺、会社のこと良くしたいけどどうしていいかわからないから、色々と意見を聞かせてほしい」とかでもいいと思います。
なかには、「コイツ、大丈夫かよ!?」という社員も出てくるかもしれません。
けど、あなたが本心から社員の意見を受け入れる気持ちをもてば、意外と協力的です。

たとえば、割とおいしい店に詳しい社員に、「こんど接待で探す店、いいとこないかなぁ」なんて相談すると、たいてい一生懸命探してくれます。
それで報酬が発生するわけでもないし、給与が上がるわけでもないのに、とっても一生懸命探してくれます。
人は頼られると、うれしいものなのです。

そして弱みをさらけ出し、それを周囲の人が受け入れてくれる状態があると、自分も安心できます。
弱い自分、ダメな自分でも受け入れられている、ということが自信になったりします。
すると、外に出ても大丈夫になったりするんですね。

そして、弱みを見せるというのは、チームビルディングにもかなり有効です。(詳しくはまたどこかでお話しします)
ということで、けっこういいことづくめ。
人間が野生で暮らしていたときの本能が、弱みを隠させようと人を行動させますが、
人間が弱さを補い合って生き抜いてきたという、これまた別の生存本能が弱さをさらけ出した人に絆をもたらします。

周囲の眼が気になる人は、
・気になる原因は、自分の評価を他人にゆだねていることに気付き、
・他人評価を自己評価に切り替えるよう癖を変化させ、
・弱みをあえて周囲にさらけ出しすことで隠す必要がなくする、
というステップで、かなり解消されます。

永遠に周囲の眼を気にしたいなら別ですが、そこから抜け出したいならちょっと意識してみてください。
ある日突然変わることは難しいかもしれませんが(それでもそういう人はたまにいます)、徐々に変えるのは誰にでもできるはずです。
要は、その場にいたいのか、抜け出したいのか、という意志だけが違う結果をもたらします。

 

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