「これから、業界はどうなるんだろう?」
「自分達はそんな変化の中でどうすればいいのだろうか?」
そんな問いへの答えを求めている人は多いと思います。
しかし、最近の私は、答えはどこにも落ちてないんじゃないかな、と思っています。
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いろんなところで、冒頭の質問を受けることがあります。
まあそんなこと、私にだってわかりません。
いろんな未来予測をされる方もいますが、これもまた当たるも八卦当たらぬも八卦の世界。
とはいえ、後継者としては、安心したいわけです。
こうなるから、こうしよう、という道しるべが欲しいのでしょう。
私も長いこと、そんなことを考えていました。
どこかに未来を暗示する情報があって、そこにどう対処すべきかを教えてくれる情報がある、と。
今はそれなりに自信をもってやっています。
根拠のない自信です(苦笑)
しかし、根拠のない自信を持つ過程には、ある変化がありました。
目に見える状況を気にすることから本質を見ようとした、ということです。
具体的に言うと、「私たちは〇〇屋です」といえる状態だと、まだ旧時代のビジネスモデルの中にいる可能性が高いと思います。
Googleを検索屋さんということはないと思いますし、Amazonを本屋さんというのはあまり正確じゃないと思います。
これからの時代は、〇〇屋さんを抜け出したところに活路があるんじゃないかと思っています。
ビジネスの流れをざっと見てみたんです。
日本では戦後、たくさん作って、たくさん売って、より安く、広く、多くの人に商品・サービスを届けることがビジネス上の正義でした。
だから、商品やサービスの名を冠して「〇〇屋さん」と呼ぶことができました。
〇〇という商品やサービスを作り、届ける会社、という意味合いですね。
物がない時代なのだから、届けることが価値だったのだと思います。
ところで、ドラッカーは「組織の成果は、組織の外にしかない」と言います。
正しい理解かどうかはわかりませんが、企業でいえば、顧客や社会が一定の望む状態になることが、組織の成果となるんじゃないかと思います。
かつては、モノやサービスを手にできることを、顧客が求めていました。
だからそれを提供することが、起業の使命だったと思います。
しかし、モノやサービスでは満足できなくなった現代の人は、どこかのキャッチコピーではありませんが、結果にコミットしてもらわないと買う価値を感じられなくなってきたように思います。
とすると、ごくシンプルに考えるならこんな感じじゃないでしょうか。
これまでは、
「〇〇という商品・サービスが、顧客に幸せ(安心、安全、未来、生活やビジネスの向上、苦しみや面倒を取り除くなどと言い換えても可)を提供します」
という考え方だったと思います。
現代はどうなりつつあるかというと、
「〇〇という商品・サービスを通じて、顧客に□□という価値を提供します」
という言葉に変わってくるんじゃないかと思います。
商品を手渡せば、顧客の幸せが予想できた状況が過去とすれば、
商品という手段によって、顧客のこんなことに貢献しますよ、
という流れが今なんじゃないかと思います。
モノやサービスを提供して終わりではなく、それがお客さんの望む状態に貢献できていることを見届ける必要が出てきたんじゃないかと思います。
で、「顧客はそもそも何を望んでいるのか(悩んでいるのか)?」と、
「その望みや悩みに自分たちは、何を提供できるのか?」
という質問を掛け合わせると、たぶん、こういう価値を提供していけばいいんじゃないか、という仮説が出来上がります。
あとはその仮説の正しさを証明できれば、新しいビジネスに生まれ変わるでしょう。
その仮説が間違いとしたら、軌道修正することで、「ここ」というポイントを探り当てることになるんだと思います。
私自身、未来に不安を感じ、自分に自信がない時代を長く過ごしました。
だから誰か偉い人の言葉に「答え」を必死に探してた気がします。
しかしカンニングをして正しい答えを知ったとしても、学力がつくわけではありません。
不安から、戦略なんかをいろいろと勉強はしてきました。
しかしなんとなく感じるのは、戦略のテンプレートに自社を当てはめて考えるのは、時として近道になる事もあると思いますが、決定打にはなりにくいように思います。
むしろ、非常にシンプルな質問への答えを、社員とともに考えていくことが会社の体力を作る機会になるのではないかと今では思っています。
その質問というのは、
「自分たちの(強み)を通じて、(顧客や社会)に(何かしらの価値)を提供する」
このかっこの部分に入る言葉は何か?ということです。
それが決まれば、あとは「より簡単に」「より(顧客が)リスクを負うことなく」「より手軽に」その恩恵を受けられる方法を考えればいい、ということになりそうです。
その試行錯誤が、会社の体力を作っていく。
最近はそんな気がしています。
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