後継者

後継者は先代である父母を超えようと思ってはいけない!?

後継者って、周囲から「お父さん(お母さん)は立派な人だから、それを超えるように頑張れ」なんてよく言われると思います。
先輩経営者や、同業者の社長、自社の古参社員や役員から、耳タコなくらい聞かされているんじゃないでしょうか。
そして多くの人がそれ真に受けて、親を超えようと頑張ります。
しかし、それこそが親子の確執の始まりになるのではないでしょうか。

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後継者は絶対に先代には勝てない!?

競うならば起業せよ

厳しい言い方になるかもしれませんが、後継者というのは親の後継者として親の会社を引き継ぐという形をとる以上、親を超えることはできません。
なぜかというと、そこにはすでに基盤があるからです。
会社があり、社員がおり、商品があり、販売先がある。
これをゼロから作るのはとんでもない苦労が必要ですが、後継者にはそれがあるのです。
だから、後継者が売上を倍にしても10倍にしても、そこには超えることのできない壁があります。

本当の意味で親と競いたいならいっそのこと、自分で一から起業するしかないのです。

「認められたい」ではうまく行かないわけ

素直に表現できるか否かは人それぞれですが、多くの場合後継者は親に認められたいと思っています。
しかし一方で、親である先代は、まだまだ子供には負けないぞ、と肩をいからせていると思います。
これが磨きあうライバル関係になるのならいいのでしょうが、どちらかというとお互いを削りあう関係になりがち。
結局、最後は先代を追い出すか、後継者が追い出される、あるいは飼い殺しになって時間だけが過ぎていくという事が起こりがちです。

ただ、改めて考えたとき、「誰かに認められたい」というのは何とも他人の好みに合わせた人生です。
自分の人生を生きているとはいえない、とさえ思ってしまうのですがいかがでしょうか。

後継者がもちたいモチベーション

モチベーション3.0

モチベーションを研究した書籍に、ダニエル・ピンクが著した『モチベーション3.0』という物があります。
この中で、「飴とムチ」は禅時代的なモチベーションと論じています。
実は「他人に認められたい」というモチベーションは、まさにこの「飴とムチ」がベースになったモチベーションと言えるのではないかと思います。
誰か評価者が自分の外にいて、その評価者が認めるという飴があり、認めないというムチがあるわけです。
もちろん評価者はそれを使って後継者をコントロールしようと意識はしていませんが、結果として後継者の行動原理は飴とムチに従っている状態なろうかと思われます。

ところでこの飴とムチではない、モチベーション3.0というのは一体何なのでしょうか。
これを端的に表せば、内発的動機付けという事になります。

私たちは何を成し遂げたいのか

私たち後継者にとって大事なのは目的ではないでしょうか。
今のところ、「親から引き継いだ会社を大過なく発展させる」という事が目的になっているかと思います。
しかし、これって誰のためでしょう?
社員のためかもしれませんし、親のためかもしれません。お客様や取引先、そして社会のためかもしれません。
けど一番しっくりくるのは、「自分のメンツのため」なのではないでしょうか。
逆に言うとメンツを失わないために頑張るって、なんだか虚しい気がするのですがいかがでしょうか。

じゃあどうすればいいかと言えば、自分がこの人生で何を成し遂げたいかを考えてみてほしいのです。
別に何でもいいのですが、何かやりたいことがあると思うのです。それに今は気づいてないだけです。
会社や、社員や、お客様は、そこに向かう手段としてある、と考えられるような気がするのですがいかがでしょうか。

単に勝つか負けるかではなく、自分としてどんな人生を選びたいのかをぜひ考えてみてほしいと思います。
そうすれば、親に認められるとかられないとか、そんな事はどうでもよくなってくると思うのです。

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