後継者

後継者は何の縛りもなければ、何を成し遂げようとするのか?

とかく後継者という立場は、動きにくい。
さまざまな制約の中で、あれをやろうとしても、これをやろうとしても行き止まりになりがちです。
けど、ふと振り返ってみたとき、自分は何を成し遂げたいと考えているのでしょうか?
実はその中心にぽっかりと穴が開いていることはないでしょうか?
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私が親の会社を引き継いで、数年たったころ。
私にとって最も頭を悩ませたのは、思うように売り上げが上がらないことでした。
自分自身が、セールスという仕事に対して苦手意識を持っている事がそこにフォーカスした原因でしょう。
そうして、もう一つ理由があります。
それは売上さえあげれば、何でもできると思ったのだと思います。

誰に指図を受けることなく、自分のやりたいようにやる。
その免罪符が、圧倒的な売り上げだったわけです。

しかし、さすがにそう簡単にうまくいくものではありません。
親の会社が「保険」という、販売の難易度も高く、販売における規制事項の多い商材を扱っていたこともあるでしょう。
けっこうなお金をはたいて(しかも、親の目があるから全部自分のポケットマネー)、いろんな情報、ノウハウを集めました。
なのに、それを現実のモノとして試す機会さえなかなか得られずに悶々としていました。

その時期は、とにかくやり方にばかりこだわっていました。
これさえ試すことができれば、上手くいくはずだ、と。
とはいっても、何事も一発でうまくいくことは少ない。
だから、試す機会を得たとしても一度やって思うような結果が出なければ、すぐに投げ出してしまう。

この時に私が夢見ていたことは何だろう?と今から考えるとその浅さが手に取るようにわかります。
とにかく一夜にして売り上げを激増させて、親に干渉されることから解放されること。
あるいは、何かしらの将来へのお金の確保だったのかもしれません。
とにかく、会社がどうなろうと、自分の生活さえ保証されればいい。
そんな感覚を持っていたかもしれません。

だから、何かを継続的に取り組むというより、「一発逆転の方法」を探し求めていたわけです。
一発逆転がゴールなので、努力を要することはすべてアウト。
当時の私にとっては、やる価値などないのです。
誰に対してかもぼんやりしてましたが、とにかく逆転人生をゲットすることが目的になっていたようです。

 

当時の私の目には、さまざまな障害ばかりが見えていました。
だからどこへ進むのか?と聞かれれば、目の前の障害を取り除くこと、と答えるしかない状態。
そこでこう聞かれたとしたら、私はきっとフリーズしたでしょう。
「その障害がすべてなくなったとしたら、あなたは何をしたいのでしょうか?」

実際にそういう問いがなかったわけではありません。
しかし、なんとなく耳障りのいい言葉をとってつけたように発し、そのことを真剣に考えようとはしなかった。
まあ、一番痛いところを突く質問なわけです。

逆に言えば、障害だらけに見えているほうがある意味幸せ。
なにしろ、その障害を取り除く、という取り急ぎの目的が見えているわけですからね。
これはある意味「逃げ」でもあるわけです。
目的地を自ら設定できていないことから逃げてしまっている。

数日前にこのブログでも書いたように、人は空白を嫌います。
目的地の設定がなければ、目の前の障害物をよけたりどけたりすることを「目的」として進まざるを得ない。
そういう考えを持っている以上、障害物がなくなってしまっては困るわけです。
目的を見失うのですから。

だから障害を一つクリアしたら、次の障害を目の前に出現させてしまう。

 

最近になってやっとわかったことは、この問いに答えることができなければ永遠に障害に悩ませられるということ。
何の障害もないとしたら、何を成し遂げたいか。
私たちは、最も大事な問いを避けてはいないでしょうか?
人によっては、何かの出来事が起こることで一瞬にして答えを知ることもあるかもしれませんが、
必ずしもすぐに答えが見つかるとは限りません。
それでも、問い続けることは、とても大事なことではないでしょうか。

その問いへの答えが見つかった時、障害が障害でなくなるというのはよくある話です。
不自由を感じたとしたら、本質的な問いに正面から取り組んでみるのが、結局は最短ルートになるのではないでしょうか。

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