65歳になったら引退するといい、65歳になると70歳まで社長に居座る。
70歳になると、生涯現役と言い始める。
なかなか会社を去ることができない先代。
次第に、「老害」という言葉が頭をよぎる。
しかし、実際のところ、老害をもたらすのは高齢者だけではないのかもしれません。
なぜなら、老害というのは・・・
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たまたまTwitterでこんなつぶやきを見かけました。
同世代の友人とかの発言を「それ老害だぜ」と指摘すると「いやいや!俺は20年前からこういう考えだからw」と返されることがあるんだけど、老害っていうのは加齢とともに感覚がオッサン臭くなる事じゃなくて、20年間アップデートをサボったせいで感覚が時代に合わなくなっちゃった事を言うんだからね。
— 高田ゲンキ (@Genki119) 2018年6月8日
なるほど、確かに。
世の中は常に動いている。
逆に、その動きとは隔絶されたところで生きていると、時代に取り残されてしまう。
もちろん、流れにひらひら乗ることが必ずしもいい事とは思いません。
しかし、過去にしがみついていることがいいとも思えないわけです。
「井の中の蛙大海を知らず」という言葉があります。
この言葉も、人のことをよく表した言葉だと思います。
過去の知識におぼれ、時代の変化が見えなくなる状況もまた、井の中の蛙と言えるような気がしていますが、いかがでしょうか。
たとえば、私がスーパーマーケットを経営していたとしましょう。
父からそのスーパーマーケット経営を任されたと仮定します。
きっと、父の世代は、地域のスーパーのチラシをかき集め、自分の店の値段を決めたことでしょう。
後継者である私はそれを見習い、他店のチラシをかき集める。
このスーパーはお肉が安いとか、このスーパーは野菜が安いとか。
そうやって、同業他社ばかりを見て私は言う。
「他社の研究はしっかりやっている」
さも自慢げに言っているかもしれません。
それでも売り上げの減少が止まらない。
じゃあ、もっとこの商品を安くしようとか、こんな特売セールやろうとか言うことを考える。
しかし、効果は一時的で、全体的な売り上げは一向に良くならない。
どうしたものか。
私はスマホを取り出し、Amazonで検索をかける。
商店の売上を上げるノウハウの書かれた本はないか・・・。
マトモな人は気が付くわけです。
「あ、自分、モノをネットで買ってるやん」
つまり、スーパーのライバルは本当は、地域の同業他社だけじゃなくてネットにさらわれてるのかもしれない。
飛び道具が空から飛んできて、お客さんをごっそり持って行ってるわけです。
ここででてくる「私」はある意味、老害を及ぼしています。
事業を営む立場にありながら、同業他社ばかりを見ている。
常に進化し続けている業界というのは稀有です。
たいていは、自分たちの古いやり方を生きながらえさせようと、躍起になっていることが多い。
業界全体で、新しいサービスを締め出そう!という動きが出やすいのはその証拠。
大抵の場合「自分はこの業界には長いから」「この業界のセオリーを知っているから」と過去の学びを大事にしている。
しかし、気を付けないといけないのは、業界全体が動き出すのは大抵遅い。
その前にすでに顧客は大移動を済ませていることが多いのです。
老害の種を持った「私」は言います。
「あんなの、正統派じゃない。ものを見ないで買うなんて、生鮮食料品ではありえない」と。
とはいえ、選ぶのは顧客です。
私たちは、顧客を見ないといけない。
なのになぜか、同業他社の動向や、業界全体の動向ばかりに気をとられてしまう。
もちろんそれも大事なことですが、ビジネスの答えは顧客しかないということを私たちは心にとどめておく必要があるのではないでしょうか。
このことに気づくとさまざまなことが変わります。
例えば社員の採用。
中小企業では即戦力として、自分たちの業界を知っている社員を雇いたがる。
彼らは、業界の古いしきたりは知っているかもしれないけど、顧客のことを「自分たちのフィルター」で見た視点でしか知らない可能性が高い。
顧客の真実を知りたいなら、業界を知らない人間を雇ったほうが長期的に見て、会社に貢献してくれる可能性は高い。
私たちは、若くして老害をふりまかないために必要なこと。
それは顧客の本心を、業界のフィルターを通さず顧客を知ることだと思います。
冒頭に引用したTwitterで言われる「時代の感覚」は、顧客が作り出すものです。
顧客の目で、自分たちの商品・サービス・その提供スタイルなどを考えていくことこそが、老害を避ける唯一の手段ではないでしょうか。
「私」が気にすべきことは、親のやり方でも、業界の動きでもなく、顧客の動きです。
井戸からはい出し、大海を見ることから始めていくことが重要なのかもしれません。
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