あなたは、ともに働く社員の何を知っていますか?
誕生日?
家族構成?
趣味?
関心ごと?
あるコンサルティング会社の幹部研修では、こんなことを聞かれます。
早い話が、部下の事をもっとよく知りなさい、というのが結論。
この程度の会話でさえ成立しえない職場であれば、その幹部は失格です。
しかし、この会話でも十分とは言えないでしょう。
なぜなら、それは社員の表面的な部分しかなぞっていないからです。
こんにちは。
中小企業二代目サポーター田村薫です。
私の著書です。
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。
もう6年ほど前になります。
当社の社員がいっせいに辞表を出してきたことがありました。
理由は、給与が安い割に忙しい、というありがちなもの。
前触れはありました。
給与を上げてください、という要望があったのです。
その時私は、はっきりと断りました。
「あなたが、今の仕事を続ける以上、これ以上の報酬は出せない。
より高い報酬を望むなら、質の違った仕事をしてください。
たとえば・・・」
と、仕事のステップアップを提案しましたが、それは受け入れられないとのこと。
当時、当社がその社員に払っていた給与は、相場からして決して安い金額ではなかったと考えています。
社員の労働に報いたつもりで決めた給与です。
なのに、それを不満という。
このギャップの正体が分かったのは、それからずいぶん経ってからです。
彼女は、報酬が不満であるという以上に、職場の人間関係に不満を持っていたという事です。
当時の私は、職場に人間関係など必要ない、そう思っていました。
会話は最小限。
やるべきことを黙々とやればいい。
社員との関係は、時間と労働をお金で買うというスタンス。
今から考えれば、奴隷契約のようなものだったように思います。
ところで、昨日、私はあるセミナーに参加してきました。
そのセミナーの中心テーマは、「組織の心理的安全性をいかに高めるか」というもの。
心理的安全性というのは、簡単に言うと、組織内で
・何を言っても罰せられない
・何を言ってもバカにされない
・何を言っても受け入れられる
という状況を作るために必要なものです。
たとえば、エイミー・C・エドモンドソンが著した『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』という書籍には、心理的安全性が担保されているばあいといないばあいの様々な事例が紹介されています。
・スペースシャトル「コロンビア号」の事故の原因となる耐熱パネルの損傷に事前に気づいていなかったスタッフがそれを口に出せなかった事例
・外科チームが開胸手術からカテーテル手術に移行する過程で、チームの組織的安全性が保たれていたチームの成績が良かったという事例
本書は、最終的には組織的安全性を担保するリーダーの在り方として必要な資質を提案しています。
しかし、現実問題として、そんなリーダーになるなんて大変!と思うような内容です。
そんな完璧なリーダーに誰でもなれるものではない、と本を投げつけたくなりました(笑)
私は、社員の退職事件以来、風通しの良いチームを作り上げる、シンプルな方法がないかとぼんやり探し求めていました。
それを50枚のカードと、チーム内でわずかな時間(たとえば会議前の10分、朝礼時の10分など)で実現する仕組みを見つけました。
そのファシリテーター養成講座に参加してきたのです。
そのカードの名は、「あなたのよさ(がみえる)カード」。
ちょっと私のイメージと遠いネーミングなのは、ご愛敬(笑)
このカード、何ができるかというと、シンプルにお伝えするなら
チームメンバーがもっている価値観
が無理なく表出します。
チームメンバー、社員や部下が何を好んでいるか?というのは、表面的な話だと思います。
それを好きであるという気持ちの根源にある価値観が、わずかな時間でチーム内に共有されます。
結果なにが起こるかというと、想定されるメリットはこんな感じ。
・社内における問題発見がたやすくなる
・常識を打破する意見が出やすくなる
・社員相互間のコミュニケーションがとりやすくなる
・社員相互がお互いを尊重し合える空気ができる
・社内の雰囲気が柔らかくなる
・その会社にいること自体が心地よくなる
・日頃はなすことがなかった価値観・人生観について話しやすくなる
・社員がお互いの違いを受け入れやすくなる
ところで、後継者、二代目経営者にとって、先代との関係のみならず、社員をまとめていく、ということに苦心されている方もいらっしゃると思います。
先代のカリスマ性は自分には持てない。
そんな風にあきらめに近い感覚をお持ちの方もいらっしゃるようです。
しかし、カリスマは実は後天的に獲得できるものだという説があります。
オリビア・フォックス・ガバンは著書『カリスマは誰でもなれる 』において、カリスマの要素をこの三つと断じています。
- プレゼンス(存在感)
- パワー(影響力)
- 誠意
特にプレゼンスを獲得するためには、大声で話すのではなく、相手の言葉や意向に耳を傾けることが必要だといいます。
なぜなら、自分が大切にされていると感じたとき、大切にしてくれた相手にただならぬ信頼を抱くからです。
その部分を、簡単に実現するのにこのカードが役に立ちます。
セミナー中のわずかな時間での体験で実感できたものなので、これを社内の日々の活動の中に組み入れることで、
社員自身の成長と、組織全体の成長を促すものとなるでしょう。
さてこのカードのポテンシャル、まずは私の身近なところで試してみたいと思っています。
次いで、メルマガ読者の方々にも近々リアルな形でお届けしたいと考えています。
もしご興味あれば、個別にお問い合わせください。
私の著書です。
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