後継者

後継者が会社を辞めたくなる理由を明らかにした実験~この事実をいかに活用するか?

考えようによってはこじつけに見えるかもしれません。
しかし、私はここで示した実験こそが、後継者が会社を辞めたくなる本当の理由を明らかにしているのではないかと考えています。
その実験は、こちら
動画で見る場合→離職率を劇的に改善したたった1時間の研修とは?
文章で読む場合→離職率を下げ250%も会社に残る確率を高めた1時間の研修

なぜこれが、後継者が「会社を辞めたい理由」を明らかにするのか?をお話しします。

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人は受け入れられている、という場所を求めている

会社を辞めたくなるかならないかの分岐点を明らかにした実験

冒頭ご紹介した実験をかいつまんでご説明しますと、こんな感じです。
ある企業で離職率を下げるために行った実験の内容は以下の通りです。
Aグループ:新入社員に対して会社のアイデンテティに関する研修を行った
Bグループ:新入社員に対して参加者個人のアイデンテティに関する研修を行った

結果は、Bグループのほうが7か月後、辞めずに会社に残った率は、250%も高かったと言います。
このBグループの研修内容は、「(自分が)どんな時に幸せを感じるか?」「(自分が)どんな仕事にやりがいを感じるか?」という問いに答える物だったと言います。
つまり、参加者自身に、参加者自身のことを語らせたのです。

これがどんな効果をもたらしたか?と言えば、私は「会社はあなたの存在を認めていますよ」というメッセージを新入社員に発していた、ということなのだと思うのです。

理念や方針の共有の前に必要なこと

良く会社をまとめるコツとして、「理念を共有しよう」とか、「方向性を明確にしよう」とか言われます。
それはもちろん大事ですが、その前にやることがあります。
社員一人一人が、会社にとってかけがえのない存在ですよ、というメッセージを送ること。
社員を人として大事にする、そして社員は、人として扱われている(決して業務をこなすマシーンではなくて)ということが最も重要なのだと思います。

後継者が親の会社を辞めたくなる本当の理由

では、後継者の立場はどうかというと、そういった「大事にされている」というメッセージが枯渇しています。
親はあなたの意見を否定しているかもしれないし、
社員は自分のいうことを聞かないかもしれない。
つまり、後継者は会社にとって重要な人間というシグナルを、会社で受け取ることができないのです。

だから例えば、JCとか中小企業家同友会とか、そういう組織ばかりを頑張ったり、
同業者団体の予定を最優先したり、
友達との飲み会に率先して参加するようになりがちです。
それは、会社では自分を大事にされていると感じられないけど、そういった場所に行けば、自分の居場所があり、自分の存在を認めてくれるからです。

ある調査では、人が会社を辞める最も重要な理由に「社内の人間関係(特に上司との人間関係)」を上げる人が圧倒的に多いと言います。
それもまた、自分が必要とされている、存在を許されている、という感覚を持てなかったからなのかもしれません。

後継者が活用すべきこの実験の教訓

なぜ辞めたくなるかを知れば、ついていきたくなる理由もわかる!?

人は、自分の存在が受け入れられていることを感じられなければ、その場にいるのがツラくなる、というのはわかりました。
自分のツラい立場が明確になったから、安心・・・というわけにはいきませんよね。
そこで提案です。
この原理を、あなたの居心地のいい場所を作るために活用してみてはいかがでしょうか?

人が「もうここにはいられない」という理由がわかれば、それを逆に活用すれば「こここそが自分の居場所だ」と思える場所を作ることができるはずです。

私はあなたを必要としている

それは決して難しいことではありません。
私はあなたを受け入れている、私はあなたを必要としている。
そういうメッセージを送り続ければいいのです。
その具体的な方法は、その人たちの話に真剣に耳を傾けることです。

それはあなた自身のプレゼンス(存在感)を高め、カリスマ性を創り出す要素の一つとなります。
とんでもなくすばらしいビジョンを語るわけでもなく、ありえないほどの仕事のパフォーマンスを上げるわけでもなく、
誰でもできる聴く、ということをやるだけでカリスマになれるのです。

後継者が考えたいこと

相手の話を聞き、相手の能力を伸ばし、活用する。
実は後継者に求められることは、それぐらいじゃないかと思います。
もちろん、卓越した能力や、先見性でぐいぐい引っ張るようなリーダーシップを発揮できればカッコいいかもしれません。
だけど、リーダーシップのあり方は一つではありません。
出来る方法で、組織の能力を高めればいいのです。

メリットとデメリットは紙一重

あなたを苦しめる問題はあなたの味方にもなる

疎外感、孤独感を感じる後継者。
程度の差こそあれ、一般の社員もそれを感じることは少なからずあります。
自分が満たせない想いを思い悩むより、他人を満たすためにその経験を活用する。
そんなことが出来たらいいな、と思います。

そして不思議なことに、多くの場合、自分が経験したマイナスの状態を克服することで、それが自分にとっての強い味方にもなります。
物ごとには裏表があり、違う側面から見てみると驚くほど違った景色に見えることもよくある話です。
辛い思いをしているなら、その原因を使えば、他人を癒すことが可能です。
そんなリーダーになってみたいと思いませんか?

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CouleurによるPixabayからの画像

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