特集記事

後継者が会社を変化させる全過程2【社内会議リアルタイム実況】

当社の社内の会議をリアルタイムでお届けしよう。
そんな恐ろしい企画も、第二弾。

「モノ」を売っているだけでは、私たちに未来はない。
その「モノ」が作り出す未来をお客さまは購入している。
そんな仮説のもの、私たちは何ができるか。
それを社内に問い続けています。

そんな中、私たちは単なる商品の販売を超えた活動ができるのでしょうか?

実は、少しずつ、社内にも動きが現れ始めました。
その様子をお伝えしたいと思います。

ちなみに、前回の記事はコチラです。

後継者が会社を変化させる全過程1【社内会議リアルタイム実況】


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まずは前回のおさらい

不参加者の扱い

実は、前回の会議では、欠席者が一名いました。
突然の所要だったとは思いますが、私はそれについては特に責めるわけもなく、ただ事実として受け止めました。
なぜかというと、この会議がいやいや参加するものではなく、参加したいもの、もしくは参加しなければ損した気分になるものにしたいと思っています。
用事を優先するという事は、欠席した人間のこの会議に対する優先順位が低かったという事。
それを「大事だから来なさい!」というのではなく、自発的に参加する形にしたいと思っているので何も言いません。

これが正しいかどうかはわかりませんし、異論を持たれる方もあるでしょう。
しかし、私の現時点での判断は、上記のようなものであることをまずはお伝えしておきます。

おさらい

ということで、前回の不参加者にも会議の流れがわかるよう、要点を説明する事から始まりました。
前回参加したものにとっても、一週間で薄れている記憶を取り戻すためにも必要なステップだと考えています。
前回の話は、お客さんが価値を感じて頂けるために有益な情報の提供が必要だという話になりました。
有益な情報は、私たちのもつ商品の販売を後押しするような情報ではありません。
お客さんが幸せな状態であったり、会社が発展するという状態にフォーカスした情報です。

前回の会議の終盤で、ある女子社員からこんな意見が出ました。
「誰にとっても有益な情報というのはありえない。ある程度お客さんの絞り込みが必要ではないか。」
ここでタイムアップとなりました。

お客さんに夢を描いていただく

ある問い合わせから発展するアイデア

今回のスタートは、お客さんの絞り込みを提案した女子社員からです。
もう少し詳しく話してもらえませんか?と。
そこで出てきた考えは、一人ひとりニーズが違うのだから、誰にとっても良い情報はないというもの。
実は、彼女は以前にアパレル業界(高級ブランド)で働いていたことがあり、そのブランドは顧客を選んでいるから高い値段を維持し続けている。
むしろ、高い事こそが価値である、という事を肌で感じていた人間です。
上手く言葉にはできないものの、そういうことをイメージしているのではないかと感じました。

そこで、彼女は専務に話を振りました。
「専務は日頃あんまりしゃべらないからわからなかったんですが、良いことおっしゃってましたよね?」

専務に話をきくと、こういったものでした。
ある時、フリーダイヤルで保険に関する問い合わせがあったといいます。
この方は、私どもで契約を頂いている方ではないのですが、相談の趣旨はこのようなものでした。
「親が亡くなったのですが、どんな保険を契約しているのか全く分からない。これを知る方法はないだろうか?」
この話から、雑談レベルの話ですが、こんなアイデアが出ました。

各保険会社の保険証券に、共通のQRコードが付されていて、そこにアクセスすると契約一覧が自動的にできる。
子が親の家で、保険証券をそうやってスキャンしていけば、すべての保険会社の内容が一覧化できる状態になればいいのに。

なかなか壮大なアイデアです(^^;
確かにこれができれば、年老いた親を持つ世帯は安心できそうですね。

手段より目的

こういった仕組みも興味深いのですが、どこかで私たちができる事と、出来ない事の切り分けは必要です。
しかし、確かに高齢の親を持つ世帯にとっては、一つの悩みであることは間違いないでしょう。
実は昨年、当社の営業社員の一人が親を亡くしました。
彼は保険の専門家なのですが、親の保険の事はぼんやりとしか知らず苦労をした、といいます。

そもそも、親とひざを突き合わせて、お金の話や保険の話をする機会などなかなかないものです。
言い出しにくくもある話なので、結局うやむやになってしまう。

さて、先程の意見のように、デジタルで解決できればいいのですが、今の時代個人情報保護法をはじめとした法律や、システム開発費。
そもそも保険会社の協力を取り付けるとなるとあまりに壮大です。
では、今すぐできる事としては何があるだろう?話を総転換しました。

要は、親の保険や資産の状況を子供は簡単に知ることができればいい。
その仕組みを作るか否か、という話に話題は進んでいきまし。

お客さんが夢の持てる話を

そこで、まず頭に浮かぶのが「エンディングノート」というものです。
しかし、これは実は非常に難しい。
そもそも、死に向かう準備をするなど、その気持ちになっている人は放っておいてもやります。
実際は、そんな気持ちになれない人が、情報を整理できないわけです。
やるとしたら、相当な工夫が必要です。

もう一つ、これは私のこだわりとして注文を付けました。
ここまで来て夢の持てない話は辞めよう!
という事です。
保険という仕事は、お客さんをさんざん恐怖のどん底に落として、そのためにこれが必要です、と保険商品を出してくる。
それ、楽しくないでしょ?
エンディングノートを準備しなければ大変ですよ、だから一緒にやりましょう。
大事なことではあるのですが、お客さんはそこに夢を描けない気がするのです。
方法論としてはエンディングノート的なものでもいいのですが、発想を全く別の視野から行いたい。
そう注文しました。

一瞬、会議の雰囲気を壊すかな・・・と不安ではありましたが、皆そこには納得した雰囲気がありました。

お客さまの声×私たちができる事

会議は1時間以上は行わない

ところで、私がこの会議で気を付けている事があります。
それは、必ず終了予定時間を明確にすること。
原則1時間としています。

議論には波がありますので、出来れば盛り上がっているときは延長してでも結論を出したい。
そういう気持ちもないわけではありません。
しかし、間延びさせるよりもむしろ、1時間以内で終わるからこそ集中できるという側面もあります。
たった1時間だから、この時間だけは集中して議論する。
その事で、時間単位の生産性をあげることを目的としています。

せっかく盛り上がったところではありますが、今回の会議はここでいったんお開きとなります。
しかし、終わりかけたときにある意見が出ました。

お客さまの声を集めよう

正直なところ、今回の会議は進歩はあったものの、期待した成果はなかったかな。
そんな風に思い始めていました。
今回の会議は大枠の話から現場に近い手段の話に終始してしまったためです。
もともと、私たちの顧客の中心は法人ですからそこに話題の中心を据えたかったのですが、個人のお客さんの話に終始したという事もあります。

しかし、終わり間際、ある社員が言い出しました。
「こういった恒例の方々の悩みって、我々もわかっているようでわからない。お客さんに聞いてみたほうがいいんじゃないか?」
これはとてもいい兆候だと思います。

 

もともと、商品を通じてのお客さんにしか関心を持てなかった状況から、お客さんの本質的な悩みを理解しよう。
そういった方向に、気持ちが触れただけでも十分な価値があったと今では感じています。
そこで急きょ、いくつかの項目を作って一定年齢以上のお客さんにヒアリングを行うことが決まりました。
次回はその回答を持ち寄っての会議となる予定です。
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