会社の代を替わるというのは、社長のいすに座る人が変わる。
シンプルに表現すると、そんな事になるわけです。
しかし面白いもので、先代と同じ時間配分、
同じ優先順位で仕事をしていると、
先代と同じ仕事の仕方になってしまいます。
本当に、椅子に座る人が変わっただけになってしまいます。
性格の違う後継者が先代と同じことをやってると、ほとんどの場合、
パフォーマンスは下がってしまうのではないでしょうか。
私の著書です。
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私が会社の代表となって、それなりに社長っぽい仕事を始めたとき、
かなり驚いたことがあります。
それは、
「社長がそんなことまでやってるのか!?」
というもの。
お茶くみとか、庭掃除とか?
いえいえ、そういう類のものではありません。
私が驚いたのは、現場ですべき判断を社長がしていた、
という事なんです。
社内にいると、次から次へと社員が聞きに来るわけです。
これ、どこに置いておきましょうか?
ファイルはどの色にしましょうか?
この書類、どうすればいいでしょうか?
きっと、先代は一つ一つ丁寧に答えていたのでしょう。
当初は、あまり気にも留めず当たり前のように対応していました。
先代がやっていたことを、いきなりやめるのもおかしいだろうし、
まぁ、そんなものだろう、と。
しかし、あるタイミングから、どうしても時間が足りない事を切実に感じ始めました。
やるべきことは次から次へと押し寄せて、机の上は、未処理の書類の山。
初めのうちは、書類は左の山と右の山があったのが、机の執務スペースにまで書類は浸食してきます。
やりたいことを思いついても、その書類をかたずけてからと書類整理に乗り出します。
一つ一つ書類に目を通し、決済をした時点で、もはや当初やりたかったことはすっかり忘却の彼方。
あれ?何をしようとしたんだっけ・・・と(笑)
じゃあ、TO DOリストを作りましょう、となるわけです。
しかし現実は厳しい。
簡単な事ならいざ知らず、下調べが必要な事は、調べ物をするだけでも大変です。
そして、そういった時間のかかることの多くは、未来への投資であることが多い。
つまり、すぐに利益を生むわけではないのです。
本当にやりたいことほど、リストの端っこで永遠に残り続ける。
結局目の前の売上の事を優先的にやらざるを得ない。
その結果、起こることは、先代のやってきたことと違う事をやりたいと思いながら、同じことをやっている現実に気付くわけです。
途方に暮れていた時、ある本と出合いました。
ダン・ケネディの「屁理屈無し 社長のための時間の使い方」です。
氏はこういっています。
平均的な社長は8分に1回仕事の邪魔をされる
ハッキリ言って、この本は、人によっては吐き気がするほど気分の悪くなる話が満載かもしれません。
かなりの劇薬だと思います。
ただ、この本のおかげで、社長のやるべき仕事か、そうでないものかを簡単に分けることができるようになりました。
この本に触れてから、
・その面談に意味はあるのか?
・その会議にどれだけの価値があるのか?
・今やっている仕事の価値はどの程度あるのか?
という事を常に意識し、無駄と思えるものをばっさり切り捨てました。
そうすると、かなりの時間を作る事ができるようになりました。
ダン・ケネディのいう、8分に1回の仕事の邪魔はどこからもたらされるのか、
それを取り去るにはどうすればいいのか、
そんな事を考えていくと、かなり短期間で仕事の時間配分は変わってきます。
私の場合、〇〇の仕事は、私はやらないからよろしく。
と社内で宣言したものもあります。
結果、私の仕事の優先順位は、がらりと変わりました。
仕事の優先順位を変えると、思考も変わります。
物事を見る目が全く変わってくるのです。
社長に就いて間もないころは、今までのやり方を踏襲して流れを知ることは重要です。
しかし、その流れを見極めたとき、その流れの中に埋もれるのではなく、
自分なりの優先順位を再設定することを忘れずに。
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