後継者

自信がないという後継者の方へ 自信はどこからやってくるか?

家業を持つ家庭の子が、親の仕事を継ぎたくない理由の第二位として、「自分が経営する自信がない」というものがあります。
実際に、家業で経験を積み始めた後継者もまた、自信満々という人はあまりいないようです。
まあ、世の中には「自信をつける方法」というものがたくさん出回ってます。
比較的有名なのは、ただひたすら練習する、という方法。
スポーツ競技などでは、ある程度有効なのかもしれませんが、経営において、それは本当なのでしょうか?


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親の会社を継ぐ技術

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こんにちは。
田村薫です。

経営においては、スポーツ競技とは違い、練習などができる機会はなかなかありません。
プレゼンだったり、営業だったり、いろんなビジネスシーンにおいて練習できるものもあるのですが、それとていくら練習しても現場での緊張感は、わずかに緩和される程度ではないでしょうか。

私にも、印象的な経験があります。
あるお役目をいただき、1000人の聴衆の前でご挨拶をする機会がありました。
当日までには3分ほどのボリュームの原稿を、何度も何度も読み返して臨みました。
このお役目のおかげで、前日の夜の不安感はMAXです。
寝たのか寝てないかもわからないようなまどろみの中、気が付けば朝を迎えていました。
当日は、足がすくみ、手は震え、背中に冷たい汗が流れる様子が今でも昨日の事のように思い出します。
舞台裏でブツブツと何度もあいさつ文を繰り返し練習し、いよいよ出番です。

演台に向かう私は手と足が同時に出ていたかもしれません。
ぎこちないしぐさで舞台中央に立ち、満席の聴衆を前に正対するとまぶしいスポットライトが目に入ります。
お辞儀をして、話し始めるのですが、「皆さんこんにちは。」と言ったきり、次の言葉が出てこないのです。

たった3分のあいさつ原稿は、ステージに立った途端に頭からすべて抜け落ち、実際にステージに立っていたのは恐らく1分ほどもなかったのではないかと思います。
頭の中が真っ白になる、というのはこういう事を言うんだな、と後でしみじみ感じたものです。
その時、練習は無情にも何の成果をもたらしてくれませんでした。

その日は、一日中自己嫌悪です(笑)

初めての大舞台でのご挨拶は、訳も分からず終わってしまいましたが、その後数年にわたり同様の機会をいただきました。
次第に、程よい緊張レベルでごあいさつに立つ事ができるようになり、いつしかそれは当たり前のことに変わっていきました。
とはいっても、その時の心境は、「自信」というものからはかけ離れたものです。
しかし、できるか?と聞かれれば、出来の良しあしはともかくとして、やれないことはない、という程度にはこたえられるようになりました。

 

後継者のように、「経営」という大きな仕事を未来に任されるという筋書きがあろうとなかろうと、初めて取り掛かる物事に対して自信を持てないのは誰もが経験することです。
その自信を手に入れるために、たくさんの勉強をするのも悪い話ではありませんが、知識をいくら持っても経営に対する自信にはならないでしょう。

たとえば、飛行機の操縦をやりたい、と思ってその操縦法を繰り返し勉強したとします。
マニュアルは暗記し、何度もシミュレーションを繰り返した。
それで自信満々になるでしょうか?
もし、それだけで自信満々になるパイロットなら、私はそんな人の操縦する飛行機には乗りたくない。

 

経営に自信がないとすれば、いくら知識を増やしても本当の自信にはなりません。
やはりそんなことでつけた自信は危険なものです。
きっと、知識だけで自信満々の経営者の操縦する会社と、運命を共にしたいという社員はそうはいないでしょう。
私ならごめんです。
本当の自信は、実際にそれを繰り返しやってみて、一つ一つの問題をクリアすることでしかつかないのではないかと、私は考えています。
いずれ、それを鼻歌交じりにできるようになるまで繰り返す。
むしろ、自信満々で経営をやっている人は、さほど多くはないのではないでしょうか。
自信がないから、常に見直し、改善を怠らないのです。

 

やったことのないことに対して自信がない、というならば、それは正常な感覚なのです。
やったことがある人が、あたかもすごいことをやっているように見えるかもしれませんが、大抵はそんなにすごい事ではないんだと思います。
そんなにすごい経営者ばかりなら、これほど多くの倒産企業は出てこないでしょう。

 

所詮そんなもので、やったことがないから自信がない。
自信がないから、他人が凄い事をやってるように見える。
それでも、やってみれば、気が付いたときには当たり前になります。
自信満々とは言えないかもしれませんが、少なくとも不安は払しょくされるはずです。

振り返ってみてください。
初めて今の仕事をした時、大丈夫かな?と不安に駆られながらも必要に迫られそれをこなしてきたことでしょう。
失敗もいくつかしたかもしれませんが、それを切り抜けたからこそ
その結果、自信があるかどうかは別として、少なくとも当たり前のこととしてできるはずです。
そうやって人は成長していくのです。

そして、一度できるようになったことは、忘れ去ることのほうが難しいものです。

 

ともに、チャレンジしてみませんか?


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