後継者のコンプレックスが会社を救う!?

親の事業を継ぐか?継がないか?オーナー経営者を親に持つ子供の悩みの一つです。
継ぐと決めて、一緒に仕事を始めたとしても、先代のようにはなれないという事で自信を喪失する後継者、結構いらっしゃるようです。
特に、若い世代の方に多いようですが、結論から言います。
大丈夫です。
何とかなるものです。
しかし、本当に大事なのはそのあとなんです。

こういった感覚は、車の運転に似ています。
免許を取ろうと教習所に通っているとき、いとも簡単に自動車を運転してる人を見て、どうしてあんな風に運転できるんだ?と思ったことはありませんか?
それでも、回数を重ねるうちに、だんだんと慣れてきて、無意識に運転できるようになるものです。

経営も同じで、やっているうちに段々と感覚で理解できるようになってきます。

むしろ、早い段階で後継者の経営知識はすぐに先代を上回ることになるでしょう。
なぜならば、後継者にとって「経営知識がない」というコンプレックスがあるからです。

コンプレックスがあると、それをカバーしようと一生懸命学びます。
一方で、先代はそれを経験で体感的に学んできた、という事になります。
車の運転で例えていうなら、無免許で乗り回しているうちに覚えた、という感じですね。

 

経営も実地でやっているうちに覚えたのが先代。実は、ここに2つの問題の種があります。
一つ目は、論理的な経営メソッドについてのアレルギーを持ちがちなことです。
車の運転で考えるとわかりやすいと思うのですが、教習所に通わなくとも自動車を運転できるようになった人に、あえて教習所に通ってください、なんていうと何が起こるでしょうか。恐らく「今更、何を言ってるんだ!?」と怒り出すに違いありません。「俺はもう車の運転は、ほかの誰よりうまいんだ。」という思いがあるだけに、基礎から始めるなんて我慢がならないのです。
経営についても、既に今、何とかなっているわけですから、今更誰かに教わる気などさらさらないのです。
ましてや、若い後継者が「経営とはこうあるべきではないか?」なんていう意見をしようものなら、先代にしてみれば自分の経験を全否定されたように感じる事でしょう。
そして、自分は現場で経営を覚えてきた、だから後継者もそうあるべきだ、と考えがちです。また、経験で覚えたものを論理的に他人に教えることが苦手な人が多いので、先代が後継者にとっての経営の先生になることはあまりありません。

二つ目は、経験で学んだことですから、これまで経験しなかったことへの想定はすることができない、という事です。
先代はその場その場で起こるトラブルに対処することで経営を学んできた可能性が高いのですから、経験しなかったことは検討の俎上にも上がりません。これにはさらに二つの側面があります。
まず、先代は訪れる状況にこれまでも対処してきたから、これからも対処できるという自信を持っています。だから、事件が起きればそれはその時考えればいい、というのが基本スタンスです。しかし、後継者はそういった経験はまだまだ浅いから、未来を想像し、訪れる可能性のあるリスクには事前に対応しておきたい、と考える傾向があるのではないでしょうか。
先代と後継者の話がかみ合わない原因の一つは、こういった視点の違いにありそうです。

 

そして、経験で学ぶという事は、過去と現在の視点しか持つことができません。
もちろん、将来の事は考えていないというわけではありません。将来のことは考えてはいるものの、それは現在の延長線上で考えている可能性が高いでしょう。
例えば、印刷業であれば、これから30年後も印刷業がある、という前提での将来像を考えているのが、先代の多くのパターンです。世の中の情報を集積し、分析し、その中で自社の進路を決めていくという作業は先代の得意分野ではないことが多いのではないでしょうか。これができるのが、未来の不安を言語化できる後継者です。
それでも、先代は、自分の経験に自負があるのでにわかにはあなたの主張を受け入れないかもしれません。
それこそが事業承継の難しさではあるのです。

 

さて、冒頭の話に戻りましょう。
後継者が、経営の知識が足りない、という不安は時間とともに解消されていきます。後継者が前向きに学び続ける以上は、まったく心配はありません。
むしろ、知識のうえにおいて先代の無防備さを感じるまでに、さほどの時間はかからないでしょう。
それより、大事なのはそこからです。
今後の会社の行く末を考えていくというのは、もはや経験の延長線上ではありません。そこに強みを発揮できるのが後継者です。決して楽なものではありませんが、チャレンジのしがいのある役割だと私は感じています。
あなたはどう考えますか?

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