後継者

親の事業に魅力を感じない後継者が考えたいこと

だいたい、中小企業ってあんまり格好良くないことが多いように思います。昔の友人が、「都会のビジネス街をスーツで闊歩する自分」に強いあこがれを持っていたことを思い出します。
大阪で言うなら、梅田、淀屋橋、中之島、心斎橋あたりにオフィスがあるとなんだかカッコいい。けど中小企業って、東大阪だったり、大阪市内でも中心地からちょっと外れたところに位置していたりします。雰囲気の時点でちょっと見劣りしがちです。

まあそんなイメージだけでなく、事業の将来性という意味でもちょっと怪しい感じはしなくもないわけです。なんだか古臭い機械まわして物を作っているとか、どうみても今風とは言えないアナログなオフィスで営業してるとか、なんだか将来性を感じない事って結構あるかもしれません。そういう会社を継ぐとか継がないとかなった時、どんな風に考えればいいのでしょうか。

 

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実は私、若いころから不思議だったことがあります。
学生さんの就活って、なんだか「今、勢いのある業種や企業」に人気が集まっているように思います。世の中の移り変わりは激しいので、5年後、10年後にどうなっているかわかったものではありません。
たとえば、学生向けの就活情報を提供している「あさがくナビ」によると2019年卒業者の人気企業ベスト5は以下の通り。

1 ANA(全日本空輸)
2 味の素
3 JAL(日本航空)
4 オリエンタルランド
5 伊藤忠商事

で、2022年卒の学生さん人気は以下の通り。

1 伊藤忠商事
2 味の素
3 アサヒ飲料
4 講談社
5 資生堂

コロナ禍の影響を受けてか、航空会社は消えてANAは79位、JALは88位にまでランクダウンしていました。

 

私が就活をした時代は、金融・保険業がブイブイ言わせていた時代ですが、この情報を見る限りここ数年はめっきり影をひそめてしまっています。
何が言いたいかというと、これほどまでに目まぐるしく社会は変わる、ということです。
今、いいと言われている企業や業種も、いつ落ちていくかもわからないというのが現実社会に起きる現象です。

大企業のほうが安定しているから、とそちらが好まれがちではありますが、私の知る一部上場企業のサラリーマンは、今必死に副業、何をしたらいいかと勉強しまくってます。今まで会社の言いなりに動いてきた人が急に、「ちょっとだけ自由をあげるからそこで成果をあげてごらん」と言われたあたふたとしているのです。

 

社会はそれほどまでに大きく動きますから、事業の将来性をひとりの人間が予測することなど不可能だと思います。それは親の事業が「もしかしたら安泰かも」と言いたいのではなくて、親の会社であれ大企業であれ、仕事の転換をしなければならないタイミングというのは必ず来ますよ、ということです。この時に大企業が行うのは例えば大規模なリストラであったり、関連会社への出向。たとえば近年金融機関が不人気なのは、銀行が一時期大規模リストラ計画を次々と発表したからかもしれません。なんにせよ、それは一新入社員の力の及ぶことはほとんどなく、頭上遠くの世界で行われることに対して審判を待つしかできないのがありがちな状況ではないかと想像します。

一方中小企業、親の事業に対しては、今の事業に将来性がなくとも、将来にわたって自分が関与し、変えていくことができる可能性があります。というより、今どきの事業承継においては後継者・二代目社長がビジネスを転換させていくというのはむしろ前提と言えるかもしれません。それは口で言うほど簡単なことではありませんが、チャレンジのし甲斐はあると言えばあります。昭和の時代であれば大企業は一度入社すれば安泰というイメージがありましたが、近年はそうとも言えそうにありません。ならば、自分の力が及ぶか及ばないかで働く場所を選ぶのも一考かもしれません。

逆にそういったことがまったく関心のないことであれば、早目に継がないという決断をするのが無難かもしれません。一時的に親に悪いことをしたと思うかもしれませんが、長期的に見ればその方が親孝行な気がします。何故ならイヤイヤやっても双方が不幸になるからです。それはいろんな事例を見てきた私だから割とはっきり言いきれる現実です。
ということで、親の事業に魅力を感じないなら、それを避けるか、魅力のある事業に変えていくかの二択ではないかと思いますがいかがでしょうか。

 

よろしければこんな動画も参考にしてみてください。


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