毎朝、どんよりした顔で、面倒くさそうに社員にあいさつし、一日を通して笑顔はめったに見せない。雑談もなければ、覇気もない。
20年前の私です。
先代である父は仕事に対してとてもまじめで、仕事を神聖なものと考えていたようにも見えました。仕事中の私語には眉をしかめ、ただ、仕事に100%集中せよ、という厳しい人でした。
私はと言えば、もう少し緩いというかぬるい。仕事がすべての人生なんて勘弁してほしいとさえ思っていました。そこで、考えたのは人生の中で最も長い時間を過ごすのではないかとさえ思う会社が楽しくないということは、これもはや、人生を単に消耗しているだけなんじゃないかと感じ始めました。
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毎日無言で、シーンとした環境で働く。
私的には自分のやることに集中しているときに関してはそれはありがたい状況ですが、組織全体としてはやっぱりメリハリがあったほうがいいと思っています。緩急というのでしょうか、集中するときと緩むとき、というのは結構大事じゃないかと思います。もっと言うと、やっぱり楽しいか、楽しくないかで、働くことの意味が変わってくるんじゃないかと思います。冒頭のお話の通り、膨大の時間を費やすのが「働く」というふるまいです。この時間を制すれば、人生を制するといっても過言ではないと思います。
しかし悲しいかな、後継者・二代目社長という立場にいると、いろんな雑音があるのも事実。仕事そのものは大好きなんだけど、環境が自分にとっては苦痛だったり、そもそも仕事そのものさえも好きになれない、という状況だってある方も少な家ラスいらっしゃると思います。私はどちらかと言えば後者です。すると当然、私の表情は暗くなり、覇気はなくなる。そうなると、その場に集う人たちも暗くなり覇気はなくなる。結果として、会社の業績もあまり芳しくなくなるかもしれません。
悲しいかな、それって、後継者・二代目社長が最も恐れている事ではないでしょうか。私たちは、そう言う事態に巡り合いたくないから結構熱心に勉強もするし、物ごとを改善していかなければならないと頑張っているのに、そういったノウハウやスキル、ロジカルな部分とは全く別のところで、自分が会社の足を引っ張ってしまうという泣くに泣けない状況があるのではないでしょうか。
そこから抜け出す方法の一つは、後継者・二代目社長が楽しく仕事をするということ。一人が楽しそうに仕事をしていれば、周りの人だって引き込まれてしまいます。で、楽しそうに仕事をするということは、ある意味においてバカになる、ということなのかもしれません。牧師であり心理カウンセラーであるイルセ・サン氏によると、社会性の仮面を外すことで、自分の本来の姿が現れるといいます。それは「正しさ」から外れる勇気とでも言いましょうか。私たちが仕事がつまらないと感じるのは、「正しさ」に縛られているからかもしれません。一度、正しさを捨てて、自分がやりたいようにやるとすればどうするだろう?そんなことを考えてみるといいのかもしれません。
ある後継者の方はまじめにやっていてうまくいかなかったのですが、今はYouTuberになって大活躍されています。きっとその会社がたどってきた正しさとは違う道なんですが、新たな道として開かれてきたのではないかと思います。
正さを捨てて、仕事を楽しむとしたらどんなことを考えますか?
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