後継者

後継者教育は人間教育 後継者が立場として目指すべき方向性

後継者は社内でのリーダーシップを求められます。
じゃあ、リーダーシップって何ですか?って話です。

ここでありがちなのが、「力でチームを引っ張っていくこと」だという考え方。
先代は恐らくそういうリーダーシップだったと思います。
だからそれと同じようにやらなければ、と考えがち。

けどそれって、先代と社員の信頼関係あっての事です。
長い社歴の中で培われた関係性です。
これを上回るなんてかなり難しいのではないでしょうか。

今日は、では後継者がどこを目指すべきかを考えてみたいと思います。


私の著書です。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

親の会社を継ぐ技術

親の会社を継ぐ技術

 

 

 

 

 

 

 

 


後継者は力によるマネジメントは難しい

後継者は古参社員の後輩です

後継者って、既に会社が成立しているところに入社します。
だから、周囲は全員先輩。
その先輩たちは、後継者だからと言って、あなたをリスペクトするとは限らない。

つまり、後継者は古参社員とも信頼関係を作らなければなりません。
そんな状態ですが、後継者はここで変に頑張りすぎちゃうわけです。
「俺は偉いんだぞ」と気持ちの裏で主張します。

するとそういう空気を人は感じ取ります。
あ、この若造、マウント取ってきてるな、と。

すると古参社員は反発します。
これが後継者が社内で孤立するメカニズムです。

後継者が先輩を含めた社員から信頼を得る方法

じゃあ、どうすれば良いのでしょうか。
一つは、みんなが納得するような成果をあげること。
けどこれって実はとても難しい。
成果をあげたからと言って、認められるかどうかはわからないのです。

リーダーが犯しがちな過ち。 「圧倒的な成果をあげれば、メンバーは自分を認めてくれる」という幻想。
反抗的なメンバーがいれば、リーダーがどんな成果をあげても認めるどころか、反発の感情をより強く持つことさえあります。
むしろ、人としての信頼関係を築くのが先だと私は思います。

そのために大事なのは一人一人とのコミュニケーション。
そして、彼らに何かを求めるより、まずは自分が彼らに何を提供できるかを意識することです。
物とかではなく、彼らへの関心を持つという事です。

後継者と社員のGIVE&TAKE

お金と時間か?信頼関係か?

後継者が高圧的な態度をとる際、その拠りどころは
「給与を払っているんだから、自分に従って当然」
という思いがあるのではないでしょうか。

これはいわば、お金だけの関係になります。
こちらがそんな思いで接していて、相手がやる気を起こしてくれたり、自主的に仕事をするわけがありません。
そこにイライラして、後継者はさらに高圧的になる・・・
そんな府のスパイラルが起こりがち。

ある研究が見出した社員のロイヤリティの高め方

ある海外のビジネススクールの研究にこんなものがあります。
社員に、社員自身の名前が書かれたパーカーをプレゼントしたら、離職率が改善したというのです。
一方、会社の名前をプリントしたパーカーをプレゼントしても、離職率には変化がなかったといいます。
つまり、会社や上司が「あなたに関心を持っていますよ」「あなたはここにいてほしい人なんですよ」というメッセージを送ることができれば、彼らはそれにこたえようとするという事です。

後継者としても、彼らと反目するのではなく、まずは彼らがここにいていい、頼りにしてるよ、というメッセージを直接的でなくとも伝える必要があります。
日々の態度で、そのことを示すことが後継者のGIVEです。
すると、あとからかれらも何かを返してくれるはずです。

 

 


私の著書です。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

親の会社を継ぐ技術

親の会社を継ぐ技術

 

 

 

 

 

 

 

 


関連記事

  1. 同族企業の後継者に足りないもの

  2. 後継者は「環境」から学ぶ

  3. 親子の事業承継における後継者と先代のコミュニケーションのチェックポイン…

  4. 後継者は権限を分散させたがり、先代は権限を集中させたがる

  5. 後継者・二代目社長の「状況が変わらない」とき、疑ってみたい一つのこと

  6. プライドを傷つけられたとき、どんな行動をとりますか?

  7. 先延ばしも、すぐやるのもOK 何より大事なのは・・・

  8. 見えるものと、見えないもの 事業承継で後継者と創業者の思いが交わらない…