後継者

後継者不足の本質的な問題を考えてみる

世の中では、色んな会社があり、色んな事業があります。
そしてそれらの多くが現在、後継者不足、後継者難であえいでいます。
実際のところ、それらの表面的な部分についての解決を急ごうとしています。
しかし、なぜ、そんな事になったのでしょうか?


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私自身の話を考えると、私は小学校の頃には親の会社を継ぐつもりでした。
親の事業がすきとかいうわけでもないし、親から言われたわけでもない。
しかし、長男ですから、そうするのが当たり前、と思い込んでいました。

そうして、そのまま親の会社で勤めることになりましたが、その後はもう何度逃げ出したいと思ったか。
世間で言われる親子の確執という者の洗礼を受けました。
今から考えると、自分の未熟さも大きかったのですが、当時は親が完全に悪いと思っていました。

なぜかというと、親は会社を譲ろうとしない。
そして、譲らない理由を私が未熟だからという理由にしていました。
その結果私は常に未熟者。
それを解消するには、会社の代表にならなきゃいけない。
結果として、親を押しのけてでも破約代表にならなきゃ、なんていう強迫観念じみた焦りの中で生きていたような気がします。

 

ところで、核家族化が言われて久しいと思います。
なぜ核家族化するかと言えば、親と距離を取りたいという思いが少なからずあるのではないでしょうか。
嫁と姑問題などがクローズアップされたこともありました。
煩わしい親子の関係を、どこかできれいに線引きしたかったのでしょう。

昭和の頃にそんな風土が出来てきた中で、親とずっと仕事をするという親と距離を取れない環境に身を置きたくない後継者はけっこういたかもしれません。
親の期待には応えたいけど、どっぷり親と毎日顔を合わせるというのもちょっと・・・という感覚が少なからずある。
そのうえ、ジャニーズ問題やビッグモーター問題などに代表される、同族企業への世間の視点の冷たさ。
そんな事から、割り切った関係でありたい、とおもう子どもが少なからずいるのかもしれません。

 

親との人間関係、世間からの眼、そこに加えて事業の不透明さもあるでしょう。
かつては、中小企業と言えども社長となれば、けっこう高収入なイメージがありました。
しかし今やそれも地に落ちたようにも思います。
そうすると、積極的に選ぶ理由がなくなります。

今の若い人は、将来に夢を持てていないのかもしれません。
かつては、社長になってどんな暮らしをするぞ、とか、
こんな事業で世の中をこんな風に変えてやるぞ、とかいう人がいたのでしょう。
けど今は、今の状態に満足しているので、あまりドラスティックに変えたくないという人も多いのかもしれません。

実は事業承継問題というのは、日本の未来に夢を持てないことから生まれているのかもしれません。
大事なのは、どんな未来をつくるのか?というところに想いを馳せることなのかもしれませんね。

 


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