後継者・跡継ぎは「ギャップ」を意識して苦しみ、「トラブル」を織り込むと楽になる

明確な目標を設定してそこへ向かう。
それはとても素晴らしいことですし、モチベーションも上がるかもしれません。
しかしそのことは一方で、理想と現実のギャップに意識を向けさせることにもなります。

後継者・跡継ぎとして、会社をこんな風にしていきたいんだという理想。そして、今目の前にある現実。私たちはそのギャップを測って、ガッカリしたり、焦ってみたり。
実はこの「理想と現実のギャップ」というのは後継者を蝕むことがあるのです。
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向上心と自己否定は紙一重

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ギャップを意識してため息をついたり焦ってみたり

何事にも目標設定は大事。確かにそれは真実だと思います。
受験は志望校への合格という目標があるから頑張れるし、営業をしていても目標数字があるから時に一皮むけることもあります。自分に対してプレッシャーをかけることで、自分が成長するチャンスでもあるので、目標はあったほうがいいことが多いと思います。しかし、こんなことも起こります。たとえば、18時にどこかで誰かと待ち合わせをするとします。この18時に待ち合わせ場所に行く、というのはいわば目標設定です。これが、そのつもりで家を出ようとしたら家族に引き止められて用事を頼まれたとか、渋滞で車が動かなかったとか、電車が遅れたとか、目標設定が強固であればあるほどこういった目標設定を邪魔するものへの怒りというのがこみ上げてきたりはしないでしょうか。

のんびりと出かければいい、という前提ならムカつかなかったことも、18時に間に合わせなければならないとなると焦りや苛立ち、怒りがこみあげてきたりします。
これが目標設定の弊害です。

これを会社経営に置き換えてみましょう。後継者として、親の会社を何年後に譲り受けて、その会社をどんな風にマネジメントして、何年後には上場する、といった明確な目標設定をしたとしましょう。これ、一般的な自己啓発書ではすごく推奨されることなんですが、それがうまくいかないときが問題です。理想と現実のギャップをみて、イライラしたりしないでしょうか。また、こういう時に足を引っ張る社員がいようものなら、「なんだよアイツ」なんてことにもなりかねません。そこから社員との心が離れて孤立してしまう・・・なんてこともあるかもしれません。

もう少し突っ込んで考えてみると、この関係は親との関係にも当てはまりそうです。自分はこうしたいという理想の方向感があって、けど親はそれを遮るような行動をしたり、協力的ではないように見えたりする。こうなったら怒り心頭です。これが、明確な目標設定の弊害です。

プレッシャーは確かに人を育てる・・・しかし

実際問題として、プレッシャーは人の能力を開花させることがあります。このプレッシャーという言葉を、コンプレックスと言い換えてもアリだと思います。いじめられっ子はいじめられないためにボクシングを始め、チャンピオンになるのです。プレッシャーやコンプレックスがあるから、それをカバーしたり乗り越えようと人は努力し、その過程で人は成長します。だからら、今の状況とギャップのある目標を設定して、そのギャップを埋めようと努力することは、いい意味の言葉でいうと「向上心」と表現されます。しかしこれがわずかなボタンの掛け違えで、固執という言葉にかわり、どこか不健全なにおいをプンプンさせるようになってきます。私の知る限り、後継者・跡継ぎの方で親子の確執などの悩みを持たれる方の多くは、こんな心理的な動きがあるように思います。

親の会社に入社して間もないころは、向上心をもって会社をこうしていきたい、という夢(目標)をもって仕事を始めます。
しかし、仕事や社員、親とのかかわりの中で、夢への道が一直線につながっていないことを日々実感します。
自分のペースで夢に到達できるルートを歩んでいないことを確認するたびに、その原因探しをします。
そしてその原因はどうやら自分に協力的でない社員や親じゃないかと思い始めます。
彼らは自分の進路を阻む障害と感じ始める一方、夢への道はどんどん遠ざかり、向上心はもはや焦りでしかなくなります。
焦りは次第にあきらめになり、もうこの会社で自分にできることはないような気になって、この場を立ち去りたいと考えるようになります。
この時点で自分は目標を達成できなかった自責の念にとらわれ、その原因をまた思い起こし、そして自分の目標達成を阻んだ人たちへの負の思いを募らせる。

こういうストーリーを何周もしていくうちに、家業を継ぐということに対する苦しみだけがフォーカスされているのが後継者・跡継ぎの心理なのではないでしょうか。

後継者・跡継ぎがとるべき方法

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やっぱり夢はあったほうが「便利」

人が究極のところ到達するときは、今、ここだけにフォーカスするという状態のようです。知ったかぶって話してますが、私はその境地を体験したことがないので、受け売りです。まあこんな仙人のようなレベルではない普通の人であれば、やっぱり前に進みたい、成長したい、という思いが少なからずあると思います。であるならば、厳密な目標ではなくとも、「こんなふうになりたいな」「〇歳くらいにはこんな状態にしておきたいな」という思いはもっていた方が進みやすいんじゃないかと思います。

たとえば、AとBを選ぶとき、Aが好きなら選択は簡単です。瞬時に「A」と答えるでしょう。しかし、AもBも満足できないなぁ・・・という選択肢だったらどうするでしょうか。たいていは損得勘定で考えてみて、結局どっちを選んでもあまり魅力的ではない、ということがけっこうあるんじゃないでしょうか。後継者・跡継ぎの方が直面する問題でよくあるのは、親の会社を辞めるか辞めないか問題です。よく「会社を辞めたい」という主張は耳にしますが、続ければ今までのような苦しみ、自分と意見の合わない親と仕事を続けなければならない。けど、辞めれば、周囲の過剰な反応がイヤだなぁ、と思っていたりそもそも親子関係は断絶されるんじゃないかという不安。さらには、今会社を飛び出して、生活ができるのかっていう問題も頭に浮かぶでしょう。結局、続けても、辞めても、あんまりおもしろい話じゃないわけです。これを損得を並べあげて考えても、永遠にグルグル回ります。もう何十年も悩み続けている人、いっぱいいると思います。

どちらを選んでも微妙な時、思考は「損しないほう」を選びたいということになっています。「好きなほう」という積極的な理由じゃないんですね。こういう悩みは結局どちらを選んでも公開することはほぼ間違いありません。

こういう時にこの悩みのループを抜け出すのは、意志なんですね。こっちを選んで、この選択を良い選択にするぞ、という意志。この意志と目標とか夢(というのは言い過ぎかもしれませんが)と同義と考えると、人間の推進力としての「夢」はやっぱりあったほうがいいと思うのです。仙人レベルになっていない限りは。

選択の正しさを証明するという心構え

さて、こういった悩んだ際の選択は、たいていどこか物見見物というか、受け身的な感じがあるんじゃないでしょうか。たとえばAとBで、Aを選びました。そして起こることを普通に受け入れるだけです。一方、積極的な思いでAを選んだとしましょう。それは「自分はAを選ぶことが正しい」と思って選んだ前提ですから、まず私たちは「Aという選択が正しかった証拠」を無意識に探すはずです。何かを選ぶには一定の不安を感じるものです。その不安を解消したいから、「これでよかったんだ」と自分を納得させる材料を探すので、当然、選択が正しかったという判断材料がそろいます。これが「意志」による選択の効果です。損しないために選ぶか、積極的に選ぶか。そもそも選んだ時点で、結果の半分は出ていると言えるかもしれません。結局、どちらを選んでも正しいのです。たんに、その選んだ行為に自分が責任を持つ覚悟さえあればOKです。

物事が直線的にうまくいくことはあり得ない

人は夢や目標を設定したら、なぜか目標や夢に直線的に到達できると考えがちです。たとえば、体重100kgの人が3年で70kgにダイエットする目標を立てたとしましょう。1年あたり10kg。一日28gやせればいいわけですが、毎日確実に28gというわけにはいかないはずです。まったく体重が落ちない日もあれば、あるタイミングではグッと体重が落ちるとか、体調によってはわずかにリバウンドする日もあるでしょう。それでもグラフは上下を繰り返しながら、だんだんと平均値は落ちていく。これがダイエットの成功パターンではないでしょうか。これは当然ダイエットだけでなく、どんなことでも同じようなことが起こるはずです。会社の業績だって、常に右肩上がりというのはかなりレアで、月別に見ればいい月もあれば悪い月もある。すべてが、直線で良くなるなんて言うのは、現実世界ではまずありえないことです。

しかし私たちは、夢へ向かう道のりで少しばかりの停滞があったり、目の前に何か問題が立ちはだかった時点で「失敗か!?」と心穏やかでいられなくなることが多いのではないでしょうか。そして一部の人はそこであきらめる。だから、多くの人は自分の想いを成就できないのでしょう。長い人生というスパンのなかには数年うまくいかないタイミングもきっとあるでしょう。それでもそれを抜ければ、何か明るい知らせもあります。というより、過去を振り返ってみても、一番しんどかった時の後にこそすごくいいことがおこったりすることが多かったのではないでしょうか。そう考えると、人生は振れ幅が大きいほど楽しいのかもしれません。

物事は必ずどこかで停滞するし、何の問題もなく成功することはまずありえない、ということをあらかじめ計画に織り込んでおきましょう。すると、そういった障害が目の前に来た時に「あ、これか!これを超えさえすれば次にはうまくいくはず」なんていう未来がわかる現象がおこったりもするかもしれませんね。
計画にはトラブルが起こるという前提で臨めば、障害は障害ではなくなります。

まとめ

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私たち後継者・跡継ぎは、未来の理想とのギャップを埋めるべく、日々頑張っています。これは人の、そして組織の成長を促します。しかし、その「結果」にコミットするあまり、そこに向かう際に出会うトラブルや障害に対して非常にナーバスになりがちです。その思いが、社内でのコントロールを強めたり、先代との確執の原因になったりすることもあるのではないかと思います。

じゃあ、理想や夢を持つことが行けないことなのかというと、それは人の原動力ですから大事ではあると思われます。ならば、この理想と現実のギャップに感じる焦燥感を排除しつつ、うまく夢や目標を活用することに尽きるのではないかと思います。

その際のポイントは3つあります。
まず何かを選択するときには、夢や目標に紐づいた「意志」を使いましょう。消去法や、仕方なく選んだではなく、シチュエーション的に仕方がなかったとしても「自分が決めた」という結果が大事です。
二つ目は、その選択に責任を持ちます。何が起こっても、自分が決めたことだから自分が責任を取る。そういう主体的なとらえ方が大事だと感じています。
これらのことから、どんな選択をとっても「正しかった」と感じられるベースができます。
そして三つ目は、物事には必ず障害がおこるということ。これを計画というか、自分の進むイメージの中に織り込んでおくと、問題がおこったり、その問題で足止めされても、比較的冷静に対処することができるようになります。問題が起こって試みだされるのは、「問題がおこってはいけない」と考えているからで、「問題は起こるもの」と知っていれば何も恐れることはありません。

この三つのことを意識すると、日々の活動が精神的にとても楽になるはずです。ぜひとも、取り入れていただければ幸いです。

 

 

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