兄弟経営は、兄弟が競うと上手くいかなくなる!?

親が創業した会社を兄弟で継承する。
こういったゴールをイメージする創業社長は思いのほか多いようです。
巷では、兄弟経営はうまくいかないと言われても、自分のところは大丈夫、と思うのでしょう。
表向き大丈夫に見えるケースもあれば、見るからに大丈夫ではないケースもありますが、
兄弟経営は相当難しいと私は感じています。

そんな事を少し具体的に見てまいりましょう。

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兄弟経営にありがちな力関係

協力し合って・・・という幻想

親が、子どもたち複数に会社を譲るとき、きっと兄弟で協力し合ってやってほしいという思いがあるのでしょう。
もう少し突っ込んだ話をすれば、親の会社を子どもが継ぐと言い出すのは、親にとっては自分の過去を認められたことに等しい。
だからうれしいのはわかります。
また、兄弟を平等に扱いたい、というのも気持ちとしてはわかります。
しかし、役割が平等ではないのに、平等に扱えば、そこに不公平が生まれます。

具体的に言うなら、例えば長男に代表を任せるとします。
つまり、会社の責任を長男に負わせるわけです。
これは長男にとっては、プラス面ももちろんありますが、マイナスもかなり大きい。
なにしろ、大きな、大きな、責任を負わなければならないのです。

そうすれば、当然、責任に見合ったものを手にしてもいいんじゃないか?と思うわけです。
お金の話で言えば、弟との報酬は圧倒的な差があって当たり前。
なにしろ、弟は長男が責任を負うから好き勝手出来るのです。
しかしそんな長男の思いを知ってか知らずか、弟は(長男から見ると)無責任に動き回ります。

次第に、兄と弟は社員を伝書鳩のように使ってしか会話を交わさないようになります。
ソコソコ規模がある会社なら、完全に兄弟は分断された場所で仕事をするように差配するかもしれません。
しかしそれができない規模の会社では、結局、兄弟で会社を分裂させる、なんていう話が割とよくあります。

兄弟経営でありがちなパターン

さきほどは、ある一つのパターンを追っていきましたが、簡単に良くあるパターンを分類してみましょう。

●兄は保守的、弟がアグレッシブな場合
比較的多いパターンだと思います。
長男は比較的おとなしく、保守的なことが多い。
たとえば、少し古い話ですが、相撲の「若貴」の場合お兄さんはおっとりしていて、弟はアグレッシブ。
まさにあんな感じの兄弟が会社で一緒に仕事をしているイメージです。
兄はあまり冒険することを好まず、無難に、安定を求めて経営する傾向があります。
一方、弟はそれでは物足りません。
どちらかというと弟も視野が広いほうではないことが多いので、良くも悪くもストレート。
それに対して、兄は広い視野を持っている分、弟の言い分の偏り具合が受け入れがたい。

そもそも兄としてのプライドを示したい長男に対して、人前で兄を批判する弟は少し目障りな存在。
この場合、多くは保守的な兄が何か行動を起こすことはまれで、どちらかと言えば弟が我慢できず飛び出すパターンが多いと思います。
兄が保守的なのは、自分に自信がないからです。
そこに、目下である弟にやいのやいの言われるのは非常にウザい。
そんな話が出てくれば、好きにすればいい、とわかれてしまいます。

双方強みがある一方で、足りないものも多いため、分裂しても双方会社がうまく回らないことが多いようです。

●兄がアグレッシブで、弟が保守的な場合
数としては、前者の事例と比べると圧倒的に少ないのですが、兄がアグレッシブすぎる場合もあります。
この時、たいてい弟は「自分で考えて決めるとか、自分で視野を広げる」という事が苦手です。
逆に、具体的な指示を受けると、そこには真摯に取り組む場合が多い。

この場合、どちらかと言えば親は弟に目をかけがちです。なぜならば、アグレッシブな兄よりモノを言いやすいからです。
兄にしてみれば、自分はこんなに頑張っているのに、なぜ弟ばかり、という思いを持つ原因にもなってしまいますが。
そういった、親の「不公平な扱い」が兄弟の仲を狂わせます。
というか、兄が一方的に弟を排除しようという動きを見せることが多いと思います。

ただこのパターンは、兄がそういった弟の性格に気付くと非常にうまく回る可能性はあります。
兄としては、会社のリソースの一つとして弟を見てみると、いつもと違う行動ができるかもしれません。

●兄・弟ともに保守的な場合
これも比較的多い事例です。一見、兄弟は仲が良く見えます。しかし、彼らの目的は「兄弟仲たがいをせず経営すること」であり「会社を伸ばすこと」ではありません。
結果として、行動は保守的で、業界のセオリーを踏み外さないよう慎重です。
こういったコンビは、社会の変化が乏しい時代には会社を安定させます。
堅実である一面、変化の多い業界や時代の中では、苦労することも多いと思います。
双方がサラリーマン的で、何か問題がおこると、外部の取引業者や提携業者に強く当たることもあるかもしれません。
あるいは逆で、良い人を演じて、すべき主張ができない場合もあるかもしれません。

●兄・弟ともにアグレッシブな場合
私はそんな兄弟が同じ親の会社で働いているのを見たことがありません。
たぶん、こういう兄弟は、どちらかが同じ会社で働くことを拒むのでしょう。

・・・と、なんだか占いチックな感じに描いてみましたが、いかがでしょうか?

兄弟で競ってはいけない!?

違う才能を発揮させよう

よくある親の子に対する接し方で、子ども兄弟を競争させようとします。
そういった場合、負けた子供は強制的に会社をクビにするのでしょうか?
だとしたら競争もアリかもしれませんが、そうでなければ負けた人はそこで人生終了です。
それがわかったうえで競わせるならいいですが、そこまでの想像力を持てない親は多い。
だから、自殺する後継者が後を絶たないのです。

よく見てみると、同じ血を引いた兄弟でももっている特質や資質はまったく違うはずです。
また、育った環境においても、長男は「速く大人になる事」を求められ続けます。
具体的に言うなら、弟や妹のためにガマンせよとか、彼らの世話を手伝えとかいう話。
逆に末子は「いつまでも子供でいる事」を求められます。
彼らが何かを自分で決めようとしても先に親が結論を出している傾向はあるはず。
大変な子育ての中で、そのこと自体は否定はしませんが、大人になってもその親子関係は残ります。

しかしそこで、「大人になって弟の面倒を見よ」という暗示をかけられた兄に、「これからは弟とガチで競え」とか、
「親のいう事を聞きなさい」と言いつづけた弟に、「自分で考えろ」とか、
何十年も言い聞かせてきたことをある日突然翻すということがこの時起こっています。
そりゃあ、混乱もするってもんです。

だから一つ提案できるとすれば、兄弟それぞれが持っている良いところを引き出すことを考えたいところです。
たとえば、ある会社は弟が社長で、兄が現場の営業部長です。
なぜかというと、お互いそれが得意だとわかっているからです。
だから得意な部分は得意な人に任せて口を出さない。
そうやって上手く兄弟で会社を伸ばしていっています。

「自分を知る」というステップ

兄弟経営というと、たいてい親から言われて兄弟が会社に集結した、というパターンが多いと思います。
そして意外と多いのが、兄をしたって会社に入る弟というパターンもあるようです。
けど兄は、じぶんのことでせいいっぱいで、弟をライバル視してしまう。
親もそんな風に仕向けがちですしね。
そんな事から兄弟が仲たがいしていくのかもしれません。

考えてみれば、どこかのタイミングで、兄妹それぞれにどんな特質があり、何が得意で何が苦手か、
そんな事を話し合う機会を持ってみるのがいいのかもしれません。
そういった自分を知る手段としては、様々なツールがあります。
ビジネスや自己啓発系では、ウェルスダイナミクスなんていうのも割と人気がありますね。

そうやって、リアルな意味で胸襟を開いて話す機会が早い時期にあると、将来的にいい効果があるのかもしれません。

 

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Denise HustedによるPixabayからの画像

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