田村の頭の中

同族企業のfactfulness

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 』という本がバカ売れしています。
内容は、「世の中はなかなかよくならない」という印象を持ちがちですが、データを正しく紐解くとそうでもない。
確実に良くなっているのです。
たとえば、この質問にたいして、頭のいい人ほど正しい答えを出すことができない。

質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%

では、なぜ、事実と誤った認識が、世の中にはびこるのでしょうか?

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「同族企業」と聞いてどんなイメージを持つでしょうか?
・経営者の独善的ワンマン経営
・無能な跡取り息子
・同族とそうでない者への明らかな差別
・公私混同
・社内モラルの低さ
・ずさんな金銭管理

しかし、日経ビジネスの記事によると、

米ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院のジャスティン・クレイグ客員教授によると、S&P500のような米国を代表する企業で「ファミリービジネスは非ファミリーの業績を上回る」という。多くの研究者も、収益性の高さを示すROE(自己資本利益率)や、企業の価値の評価の指標となるトービンのq、利益の伸び率といった項目で数ポイントほどの優位を見いだしている。米国だけでなく、欧州でも同様の結果が出ている。

 

静岡県立大学の落合康裕准教授らが資産を有効活用して利益に結びつけているかを示すROA(総資産利益率)に着目して上場企業を調査したところ、2017年3月までの7期すべてでファミリービジネスが非ファミリーを上回った。

さらに、『同族経営はなぜ3代で潰れるのか? ファミリービジネス経営論』によると、

•世界のGDPの70~90%は、ファミリービジネスが作り出している
•北米の会社の80~90%はファミリービジネスであり、雇用の62%はファミリービジネスが創出している。

ということだそうです。

 

逆の研究結果もありますが少なくとも、「同族企業だから悪い」と確定した要素とはおもえません。
じゃあ、なぜ、冒頭のようなネガティブなイメージが付きまとうのでしょうか。

それは、

『いいことはニュースになりにくいし、問題なく運営されているものはニュース性はゼロ。しかし、メディアで取り上げられるのは問題があった時に限られるから』

と言えそうです。

 

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

 

 

 

 

お家騒動、不祥事、売り上げ減少による倒産や売却、
もうメディアの大好物ですね。
一方、「A社は安定の業績」とか、「見事後継者との引き継ぎ完了」とかは一切ニュースにはなりません。

世の中のほとんどの人は、こういったどこか三流週刊誌的ともいえるマスメディアに毒されてるわけです。

後継者としては、そんな印象操作を受けた自分の立場をなかなか受け入れられないこともあろうかと思います。
また、後継者としてそんな渦中に入りたくない想いもあるかもしれません。

そういう意味では、世の後継者不足は、マスメディアがその責任の一端を持っているかもしれません。
なんとなく、同族企業ってカッコ悪いというか、ネガティブなイメージが刷り込まれちゃってるんですね。
私自身、それを人に話すのをためらうことはけっこうありました。

 

しかしまあ、時代的には、「事実」が漏れ出すご時世です。
メディアへの信頼度はどんどん下がっていっている現実があります。
もうそんな虚構に苦しめられることも減っていくんじゃないでしょうか。

同族企業の後継者、カッコいいっていう状況が作れる人もたくさん出てきました。
ぜひ、そんな未来を創る一人として、名乗りを上げていただけると嬉しいな、と思います。

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