田村の頭の中

「なんとかしてあげたい」という傲慢さとの戦い

いろいろと後継者の悩みを伺うことがあります。
すると、「何とかしてあげたいなぁ」と思うことがあります。
しかしこれ、かなり失礼なことだと、最近は思います。
なぜなら・・・

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誰かが困っているとき、
誰かの夢を耳にしたとき、
何とかしてあげたいなぁ、と思うのは普通に出てくる感情です。

しかし、これ、ちょっと気を付けたほうがいい時があります。

 

先日、ふと気づいたことがあります。
私は長いこと、「本を出版できたらいいなぁ」と思っていました。
しかし、考えてみれば、「書籍 出版 方法」みたいなキーワードで検索したことは一度もないことに気づきます。

そこでちょっと考えてみました。
人はどういうときに検索をするのだろう?ということです。
すると、「今すぐ解決しなければならない」ことに対してではないか?という考えに至りました。
「いずれこうしたい」とか、「淡い希望」とかではなく、「今すぐどうにかしたい」問題に対して、人は検索するんじゃないかと思います。

たとえば、「蛇口が壊れたときの対処法」「どうしても我慢できない肩こりの解消法」「法的トラブルの対処法」などといった事ですね。
逆に、「会社の未来をどうするか?」とか、「良い子育ての方法」とか、今すぐ何とかできそうにない話は検索しないことが多い。

つまり、人は「今すぐどうにかしたい問題が目の前にある時、行動を起こしやすい」と言えそうな気がします。
逆に言えば、トラブルや突発的な問題は、その人が変化するチャンスである、ということにもなります。

 

そんな絶好のタイミングで、手を差し伸べる。
これはあたかも「いいひと」に見えますが、実際はその人が成長するチャンスを奪う行為とも言えます。
学校の勉強でいえば、問題を解こうとする生徒に、答えを教えるような行為。
最悪のやり方ですね。

私はついつい、それをやりそうになってしまいます。
なぜなら、答えを自分がもっていることが誇らしいからです。
また、いい人と思われたい、というのもあるんでしょうね。
要は自己満足(苦笑)

人生の主役はあくまでその人自身。
その人の問題を、誰かが変わって解決するのは、越権行為です。
その人の問題は、その人自身が解決すべきであり、そのことを通じてその人は学びを深めるはずです。
だから、その人が自分で解決することを信じて、ほんの少し気づきを促すサポートをすることが「なんとかしてあげたい」と感じる人の役割。

これは、相談者とアドバイザーの関係のみならず、上司と部下、親と子、友達同士、夫婦など、すべての人間関係に共通することなのではないかと思います。
そして、手を差し伸べるのは簡単だけど、見守るのは難しい。
その難しいことにチャレンジできる人間でありたい、と思います。
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