この度、二代目経営者の会の経営勉強会のファシリテーションのオファーをいただきました。
今回はその第四回目の様子をお伝えしたいと思います。
私の著書です。
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ある二世会の勉強会をファシリテーションさせて頂いています。
前回の様子はコチラです。
前回は、会社の戦略についてのはなしでした。
今回は、ガラッと趣向を変えて、マネジメントがテーマです。
ちょうどわたしが、「よさ会議」というファシリテーション手法を学んだこともあり、彼らは実験台です(笑)
すこし、よさ会議についてお話ししましょう。
まず考え方のベースには、
「チーム内で、なんの恐れもなく、言いたいことが言い合える状態」
を作る事を目指しています。
・日頃は、恥ずかしい・照れくさくていえないこと、
・こんなこと言ったら怒られるんじゃないかというようなこと、
・こんなこと言ったら勉強不足・無知なんて思われるんじゃないかということ、
・自分の立場上、メンバーに言えることではないと考えてしまって口を閉ざしてしまうこと、
そんなことでも、気軽に口にできる状態がよさ会議の姿です。
こういった意見がチームのミーティングの場で発表できない状態だと何が起こるかというと、
・ミスやトラブルの隠蔽
・画期的なアイデアが生まれにくい
・リーダーの力量以上にチームが成長しにくい
・チーム内がギスギスする
・ミーティングでみな黙りこくってしまう →誰か一人の演説状態になる
・ミーティングが報告会になってしまう
といった問題を抱えがちです。
これを解消するには、これまでリーダーが人間的に成長し、”場”をコントロールするというなかなか難しい離れ業が求められます。
これを誰でもできる簡単なカタチにしたのが「よさ会議」のファシリテーションです。
もう少し具体的に言うと、質問と場づくりをごくシンプルに、高度な形で実現する組織活性化の手法です。
まずやることは、よさカードと呼ばれるカードを引くこと。
ここには、さまざまなイメージを想起させる質問や、キーワードが書かれています。
たとえば、
・名言や格言
・ビジネスとは関係のない写真(たとえば、パンとシチューの写真や、つららの写真)
・意味のない擬音語や擬態語(「がしがし」といったもの)
・意味のないアルファベットの組み合わせ
・漢字一文字
といったようなものです。
これを見て思い浮かんだ印象を口にしてもらいます。
そこで参加者が話をするのは、自分の関心ごとであるケースが多い。
ある参加者は、「無」という漢字一文字が書かれたカードを引きました。
彼はそんな一文字から、会社の将来や、社員の方に期待すること等を語り始めました。
また、別のメンバーの一人が引いたカードは「来」という漢字一文字が書かれたカード。
自分の事務所に来る人の様子を浮かべ、社員や取引先の方々が居心地の良い空間ってどんなものだろう?
ということを思い描いたそうです。
そして、そうそう、お客さんに来てもらうにはどうすればいいだろう?
こちらからお客さんを訪問することの多い業種だけに、来店を誘導する工夫を今までやっていなかったことに気づいたとか。
また、よさ会議ではカードのみならず鉄板の質問もあります。
この仕事をどんなきっかけや想いで始めたか。
この質問をした時のメンバーは、相互では10年来の付き合いなのに、今まで語り合った事のない仕事への想いを語り始めました。
後に、あるメンバーが、「自分の会社は軸がない」ということを発言してましたが、きっとこの仕事を始めたときの想いこそがその軸につながる内容なんじゃないかな、と思いました。
本人にはその旨をお伝えしましたが、うーーんと考え込んでました(笑)
多分あと一息で、答えが見つかるんじゃないでしょうか。
種明かしをすると、ここで語られる内容には、良いも悪いもなく、正解も不正解もない。
皆が平等に、誰に批判されることもなく、何かを語り、それが全員に受け入れられる。
この状態を作る事で、マネジメントにおける組織の心理的安全性を確保する過程になります。
たった一回、こういった事を行うだけで話題が一変するわけですが、これを継続的に社内に取り入れると、社内の風通しが随分と良くなります。
また、「来」の事例でも見たとおり、内省、つまり自分を顧みる機会にもなります。
これは個人の成長とともに、組織を成長させる非常にシンプルな手法といえます。
さて、わずか2時間の時間ではありましたが、今までとは違うやり取りで、少しは何か感じるものがあったかもしれないし、ないかもしれない。
ただ恐らく勘のいい人は、この事がチームにどんな変化をもたらすかは想像できるのではないかと思います。
次回以降、会合のスタート時に、毎回このカードを引いてもらう事にしましょう(笑)
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