「自分のことだけで必死だった」
親の会社に入ってからつい最近までの私の状態です。
別に今は仕事がすべてうまく回っているというわけでもなく、悩みが何にもないわけでもなく、困っていることが何にもないわけでもないです。
つまり状況はそんなに大きくは変わってませんが、自分のことを中心に考えるのをやめると、いろんなことから解放された気分になります。
それはどういうことなのでしょうか。
私の著書です。
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後継者・二代目社長は、けっこういろんなものを背負い込みます。
会社を何とかしなきゃいけないし、親との関係や、社員との関係もこじれたものをほぐさないといけない。
これからのこととか、現在進行形のこととか、いろんなことでいっぱいいっぱいになっていることが多いと思います。
何が大変かって、後継者・二代目社長は、それを全部自分で解決しないと思ってはいないでしょうか?
親ともめていることも、
社員がついてこないことも、
会社がうまく回らないことも、
未来が読めないことも、
会社のことで未だわからないことでいっぱいなことも、
親がなかなか自分の仕事を認めてくれないことも、
親が仕事をブラックボックス化することも、
ぜーんぶ、自分で何とか解決していかないと、どうしようもないと思っていませんでしょうか。
実はこれ、だいたい裏目に出ます。
これって、全てにおいて目が行き届いて、
それに対して何かしら下せる手があって、
それを自分がうまくできる前提で、
いちいち崩れるバランスをとって、
しかも、自分の目の前の仕事はしっかりとこなさねばならない。
そう言ったことが全部、力むことなくらくらくできる自分を多くの後継者・二代目社長は、目指してると思います。
けど、たぶん、無理じゃないですか。
そんなスーパーマンになれっこないと思うんです。
私が楽になったのは、そういうことを全部責任持たなきゃ、と思うことをやめたときからです。
もちろん、誰かのせいにするわけにはいかないので、結果は受け入れます。
結果がどうなったとしても、それは自分が積極的であれ消極的であれ、選んだ結果です。
その結果に対して、「自分の行為の結果である」ということを受け止める覚悟は必要です。
けど、それらを何とかするために、自分ですべて動かなきゃ、とか、それをらくらくできる自分にならなきゃ、という思いを手放すと、グッと楽になりました。
いっぱいいっぱいになる時って、他人がやった結果を受け入れられないから、自分でやろうとするわけです。
そうすると自分ばかり忙しくなります。
で、忙しくなってテンパってしまうから、他の社員がボーっとしてるとけっこうムカつきます。
けど、社員からすれば、「手伝いたいけど、自分の仕事を後継者・二代目社長は、認めていない」という感覚を持っていると思います。
だから手を出せない。
実はこれ、親が後継者・二代目社長に経営を任せない時とおんなじ雰囲気が漂ってます。
言語化できてない人も多いと思いますが、親がいつまでたっても後継者・二代目社長に口を出したり、経営権を譲らない状態から「自分のことを親は認めていない」という感覚を持ってガッカリします。
親は後継者・二代目社長に任せることができず、
後継者・二代目社長は、社員に任せることができない。
親子関係を、自分と社員の関係に置き換えて再現しているんでね。
これを社員が見た時感じるのは、後継者・二代目社長との距離です。
どうせ俺たち、頼りにされてないから、テキトーにやればいいや。
そんな風にふるまうわけです。
こういう時、後継者・二代目社長は、自分の成長ばかりに気を取られてテンパっている可能性が高いと思います。
そこをいったん自分のことを脇において、周囲の人のサポートをするとか、周囲の人が働く環境をより良いものにするとか、そんな事に集中する機会をとってみてはいかがでしょうか。
すると、社員の方々が後継者・二代目社長に対する態度がずいぶん変わってきたり、頼もしく感じる事さえあります。
どこか澱んでいた空気がすがすがしく感じられるようになったり、仕事がスムーズに回り始めたりという変化を感じることもあるんじゃないでしょうか。
もし、苦しさを感じたときは、少し投げやりなくらいに自分のことから視点を外してみると、意外な気づきがあるかもしれません。
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