顧客を選ばない中小企業は、顧客に選ばれない。

後継者が優先順位を決めるとしたらどっちでしょうか?
今の売り上げを下げないこと。
合わない顧客とたもとを分かつこと。

会社の状況によって、優先順位は変わると思います。
しかし私なら可能な限り後者を選びたいと思っています。

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後継者の方の多くは、会社の売り上げには結構気をもみます。
これは売り上げが上がるさまがうれしい、というより売り上げが上がるとホッとするんじゃないかと思います。
何かに急き立てられるように、売り上げに固執するのです。

逆に言うと、正直なところ、自分や会社が傷を負わないのであれば、売上なんて気にしたくもない。
そういう人、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。

そうすると、合わない顧客でも、維持しなければならなくなります。
好きな顧客と、そうでない顧客と、つきあい方は同じであるはずがありません。
中小企業という、限られたリソースで経営する以上、どこかに力を集中させなければならないはずなのに、気が付けば合わない顧客にリソースが配分されていることが多いのではないでしょうか。

 

先日、こんなことがありました。
家業の保険業務上の火災保険の契約においてです。
当社の専務がほとほと困り果てて私に相談してきたのです。

そのお客様は、あまりに料金の支払いが遅れるのです。
そこで専務は、口座振替ではなくクレジットカード払いでの契約をお願いしたそうです。
その時には問題なく応じていただけたようですが、クレジットカード決済が済んで数日後、文句を言ってきました。
「月払いでなければ困る」と。

専務に状況を確認すると、今までの支払いの不安定さから、月払いはお断りしている、とのことです。
交わした契約書面上も、そのことが明記されています。

お客さまは一歩も引きません。
契約をなかったことにせよ、そして月払いで再契約を、と。
さすがに元にさかのぼっての契約の取り消しはできませんし、月払いではお引き受けしない旨はハッキリ申し上げています。
そのうえで、解約の手続きをご案内しました。
月払いの契約は引き受けられないので、他を探してくださいね、と。
解約の手続きは無事終了し、念押しの電話をお客様にした記録があります。
「今は無保険なので、キチンと”他社”でお手配ください」と。
もちろん、他社を探す日程を含めて相談した日付で解約をしています。

その後、台風が起きました。
建物は甚大な被害を受けたようです。
しかし、火災保険は少なくとも当社では契約されていません。
お客さまは、「契約を復活させて、保険を払ってくれ」と言います。
自分は解約したつもりもなく、お前たちが勝手に進めたんだ。
だから責任は、お前たちにある、と。
とにかくお前では話にならないから、社長を出せ、ということになったようです。

私は、最大の敬意をもって、そのお客様を専務とともに訪問しました。
もちろん先方のご主張に対しては、きっぱりお断りしました。

弁護士に相談するぞ、とおっしゃいますが「気のすむまでご相談ください」と言い残し、その場を後にしました。

 

このお客様は、私の基準の2つを冒しています。
まずは、料金を支払ってくれなかったこと。(過去何度か支払い不能になっています)
次に、私から見たときに、非常識な主張を強要されること。

 

そもそも契約時に、異常に権利意識の高すぎる人、私たちの商品に対する期待値が過剰すぎる人、モラルの問題なありそうな人、といった場合はうまくお断りするよう指導しています。
トラブルメーカーを顧客名簿に加えてしまうと、その人に何時間も時間と手間をとられたり、社内の士気を低下させたりすることがあります。
だから顧客は選べ、と常々社内では言っています。
こういった顧客に、優良顧客以上の時間や手間をかけてはいけない、と私は思っています。
逆に言うと、誰でも彼でも顧客にしていると、優良顧客へのサポートがおろそかになり、いいお客様から消えていく・・・なんていう笑えない話も起こりそうですs。

顧客を断ることで一時的な売り上げ減少はあるかもしれませんが、数年単位で見て、トータルのコスト対効果を見れば間違いなく良い効果はあります。
リソースの限られている中小企業は、合わない顧客を抱え込むと、企業側も、顧客側も不幸だと思っています。

 

もちろん、マーケティング的な意味合いでも顧客の絞込みは大事だと言われます。
顧客名簿を俯瞰してみて、何か気づくことがないか、考えてみるのも一考かもしれません。
大企業は顧客を選ぶのが難しいですが、中小企業ならそれが可能です。

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Image by rawpixel on Pixabay

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