【9】事業承継 冒険化計画 ~後継者が作るべきもの~

事業承継を冒険になぞらえて考えてみよう。
それが、このコラムのテーマです。
その狙いの一つは、あなたに”部外者”の目を持っていただくこと。

後継者は、とても精神的にきつい状況を経験します。
その渦中にあっては、吐きそうなくらいのストレスをお持ちでしょう。
しかし、リスクもなく、外野として、お気楽に事業承継を眺めてみる。
それが、本コラムの目指すところです。

救世主

犠牲

お宝を積み込み帰路につくリーダー。
やっと終わったと思ったときに、これまで以上に巨大な怪物に遭遇する。
その怪物はリーダーの前に立ちはだかり、今にもリーダーに食いつかんばかりに大きな口を開けている。
もうだめか。前回はそんなところで終わりました。
(詳細は前回のコラムをご参照ください→【8】事業承継 冒険化計画 ~夢はあるか?~

もはや何一つできることはない。
そう思った瞬間、リーダーは目を疑った。
その怪物の眉間に張り付く人影がある。
もう死んだと思ったクルーだった。

彼は叫ぶ。
「リーダー、コイツの弱点は眉間だ。その槍をなげろ」
慌ててリーダーは、槍を投げる。
クルーは槍を受け取ると、眉間を一刺し!
しかし、怪物の皮膚はことのほか分厚く、木を削ったやりでは貫通出来ない。
クルーは今度は躊躇することなく、怪物の大きく開いた口の中に飛び込んだ。
すると怪物は大きく暴れだし、そのまま海の底深く沈んだ。

呆然と立ち尽くすリーダー。
クルーは分厚い皮膚を破ることをあきらめ、体内から怪物を攻撃したらしい。
それを悟った、船内の人々はリーダーの肩をぽん、と叩く。

その場を立ち去り、故郷へ帰ることができた乗組員たち。
それぞれの家族が迎える港で、リーダーは犠牲となったクルーの遺族にクルーの死を告げる。
泣き崩れる遺族に宝を渡しつつ、リーダーは心に誓う。
この人たちのために、そしてこの国のために尽くそう。
それが、犠牲となったクルーへの弔い。
リーダーは新たな思いを秘め、日常へと帰っていく。

(おわり)

犠牲となったクルーはだれ?

「犠牲になれ」といって犠牲になるか?

さて、物語は拙速におわりました(笑)
まあ、物語を語ることが目的ではないので、ご容赦ください。

ここで少し考えてみましょう。
自らの身を犠牲にしたクルー、いったい皆さんの現実世界ではだれにあたるでしょうか?
消去法で考えたとき、先代しか残らないなぁなんて人も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん現実のストーリーでは、自分と先代の役割や関係は様々ですし、シーンによって変化していることも多いと思います。
けど、最後の最後、討ち死にする人って、やっぱり先代であるというパターンが多いんじゃないかと思います。

ということは、この最大の戦力を持つ会社のリソースはうまく活用したいところです。
あなたの夢を実現するために「手伝いたくなる」ような場づくりが結構大事なんじゃないかなーと思います。

そこでですよ、先代に「あなた、俺たちの未来のために犠牲になってください」って言って、果たして「はい」というでしょうか?
たぶんそれは難しいですよね。
犠牲という言葉は適切ではありませんが、あなたが、自身の道を進むために尽くしてくれる、という状態を作るには工夫が要ります。
それは自発的に「自分が犠牲になってでも、実現したい未来がある」と思ってもらえる状況づくりが大事じゃないかと思います。
それを「場づくり」と私は読んでいます。

全体の雰囲気づくりをうまくやると、必要な配役が出てきたとき、「この役目は俺かな?」なんて言う風に思い始めることはけっこうあると思います。

場づくりに必要なもの

場を形成するものは、そこにある人と人の関わりがとても重要だと思います。
この物語の中でも、クルーの人柄というか、その半生を知り、価値観をしる段階があったかと思います。
そしてそうやって作った場は、得体のしれない力を持つんじゃないかと思います。

ところで、人が変わるときに何が起こるのでしょう。
たとえば、本で読んだ一節などが「あ、わかった。そういうことか」とわかる瞬間というのは、体験を伴った状況の中ではないかと思います。
何かの体験をしたときに、「そういうことか」と気づく経験は誰しも持っていると思います。
つまり、経験の中でしか人は変われない。
逆に言うと、その経験、つまり場をコントロールできれば、コントロール不可能な先代をも変える事は可能です。

本文中では、「夢」がそれを動かす原動力のように書きましたが、これは個別事情によってずいぶん変わってくるかもしれません。
そこは考えどころかと思いますが、場を制すれば先代をも味方にできる。
そして、先代こそは最も能力の高い兵士。
あなたを強くサポートしてくれるはずです。
私たちは、彼らが活躍したくなる「場」を作ることが、とても重要な役割になるのではないかと思うのです。

あなたは、どんな場づくりをしますか?

この冒険であなたが得るもの

最後に、事業承継という冒険の旅において、後継者であるあなたが得るものについて考えてみましょう。
実は、この手の冒険物語には、たいてい決まったオチがあります。
冒頭で主人公は大抵、退屈な日常生活を行っています。
毎日が、悪いわけではないけど、何か満たされないものがある。
満たされない何かの正体はわからないのだけど、冒険の旅を終えた後、主人公は大抵その満たされない原因を知ることになります。
その原因が何かを、ここでお伝えするのはあまりにヤボなので、ここでは記しません。
それは、冒険の旅を終えた人だけが知りえる特権です。
そういう意味では、私自身もわかっていないのかもしれません。
そこに何があるのかを知りたければ、この旅を完了させなければならなさそうです。

ともに、歩みましょう。
本当の宝を求めて。

(完)
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