後継者

後継者が陥りがちな5つの葛藤

「彼は経営者の器ではなかった」
訳知り顔でいう人は多い。
しかし、その人が果たして経営の何を知っているのか。
また、その経営者の何を知っているのか。
追求していくとあることに突き当たります。

他人は、無責任な評価を口にする、ということです。

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とはいえ、小さくまとまって見える後継者の方は少なくない。
それは、本当の自分を発揮できていないから。
私はそんな風に思います。

そう考えていた折、面白い情報を見つけました。
元ネタはひっこみ思案のあなたが生まれ変わる科学的方法』(アンディ・モレンスキー)
この本は、ハーバードビジネススクールによる、心理学・組織行動学の研究に基づく情報だといいます。

本書によると、人はコンフォートゾーン(居心地のいい状態)の外に出るのには5つの障壁があるといいます。
あ、5つの障壁の前に、コンフォートゾーンって表現、分かりにくい方のために少し解説します。

 

人は、行動をパターン化する傾向があります。
例えば、歯磨きは右の奥歯から磨き始める人、
前歯から磨き始める人、
左から磨き始める人、
そんな風に自分になれたパターンがあると思います。
この順番を変えるだけで、違和感がありますよね?

慣れたパターンが、コンフォートゾーン。

ま、歯磨きレベルの話なら大したことはありません。
どこから磨き始めてもリスクはありませんから。
けど、たとえば、人間関係において、いつもは
「いつもお世話になります」
というあいさつをしているものを、
「よお!元気!?」
と挨拶を変えてみる。

すると、相手の反応が変わります。
相手の反応が変わると、自分の反応もさらに変わる。
こうやって、いつものパターンを変えることで、
人の人生も変わってきます。

逆に言うと、同じパターンの行動を繰り返していると、
同じ反応しか得られない。
つまり、未来は今の延長線上にしかない。

これを先代との関係に例えてみると、
何か嫌なことを言われると、貝のように口を閉ざすとか、
その場を去るという反応を今までしてたとしましょう。
この反応を続ける限り、関係性は変わらないわけです。
関係性は変わらない一方で、先代の反応も予測できるから、
あるていど安定した関係と言えるでしょう。
(良し悪しは別としてですよ)

逆に、嫌なことを言われたことに、反論してみるとか、
理由を尋ねてみるとか、踏み込んで話し合ってみるとか、
そんな風に行動を変えると、先代から帰ってくる反応も変わる。
どう反応が変わるか予測がつかない、不安定な状態になります。
いつものパターンから外れていくわけですね。
パターンから外れ、予測ができないことに、どこか居心地の悪い不安を感じます。
こういうことをコンフォートゾーンから外れる、と表現します。
安定した場所から、不安定な場所に動く、ということですね。

 

では、話を戻しましょう。
今の状態がつらいとか、嫌だとか言うなら、その繰り返してるパターンを変えなければ現実は変化しません。
それはわかっているけど、その変化に立ち向かえない理由を本書では挙げています。
それが次の5つ。

1.自分らしさとの葛藤
これは自分が思い込んでる自分から外れることへの不安です。
たとえば、「押忍!」とか言って初対面の人とがっちり握手するシーン。
私にとっては、「自分らしくないなぁ」と違和感を感じます。
それをやれと言われても、なかなか難しい(笑)

2.好感との葛藤
Facebookなんかで自己アピールしたり、ブログをアピールしたり。
こんなことしてると、「ああ、アイツ必死だな」と批判的にみられてるかも。
そんな風に考えると、行動に二の足を踏んでしまいますね。

3.実力との葛藤
以前、ある有名な業界団体の事務局長そして会長に指名されたことがありました。
いやいや、自分なんて大した実績も残してないし・・・
そんな風に自己評価と、他社評価や立場とのギャップがあると居心地が悪いものです。

4.憤りとの葛藤
何であんな奴が美人にモテるの!?なんていう憤り、ありますよね。
本当は目に見えない価値がそいつにはあって、自分にはなかった、という現実があるのでしょう。
そんな憤りに憤慨してしまっていると抜けられなくなることもあります。

5.モラルとの葛藤
まだまだ社会の中では、モラル重視では評価されない状況もあります。
会社は社会のためでなく、会社のために働くことを求めていたりすることも多い。
そんなギャップの中で、踏み出せない一歩はあるように思います。

 

さて、この5つの葛藤のうち、比較的経験の浅い後継者に見られがちなのが、
3.実力との葛藤
と感じます。
自分はこの程度なのに、後継者としてこれから会社を背負わなくてはならない。
その重圧につぶされそうになっている人、結構います。

本書でも”科学的な方法”を提示していますので、
関心があれば読んでいただければと思います。
ただ、シンプルに私の考えをお伝えするなら、
心配したって意味ないじゃん、と(笑)

だって、心配すると、頭は固くなってしまいます。
アイデアが出にくくなるんです。
問題に集中しすぎてしまうんです。
だから、心配すればするほど、袋小路に入ってしまいます。

あなたがやるべきことは、
「大丈夫、大丈夫」
と自分に言い聞かせること。
もう少し言うと、
「大丈夫と決める」
ことが結構大事です。

失敗してもたいてい何とかなる・・・
というより失敗をしたくないんだと思うんです。
で、誰かに後ろ指さされたり、無能扱いされたりするのが嫌なんです。
けど、周囲の人の発言って、無責任ですからね。

あなたも覚えありませんか?
変な政策進める政治家とか、
不祥事起こしたスポーツ選手や芸能人、
謝罪会見してるえらい社長さん。
ひどいときには、ちょっと顔が気に入らないだけで、
あったこともない芸能人を
「大っ嫌い」
なんていうこともあるんじゃないですか?

けど、もしそんな人と、会って話をする機会があったとしたらどうでしょ?
「意外といい奴だった」
「テレビと違って結構美形だった」
なんてオチですよ。

人の評価ってそんなもので、
その時は適当なことを言うかもしれないし、
そもそもそんなことを言わないのにあなたが先回りして
アリもしない想像をしているだけかもしれない。
仮に適当なことを言ってたって、3分後には言った本人が忘れてます。
そんなことに振り回されるのがどれほど無駄なことか。

そういう話が腹落ちするとスッキリ気にせず行動できてしまう。
けど、頭ではわかってるけど、なかなか踏ん切りがつかない。
それは意志の力が不足しているのかもしれません。
本書でいうところの信念だと思います。

実は、後継者はこの意志、信念を追求すると、
それが力になり、変化を促すことが可能です。
自分の本心に気づくこと。
それが一番の課題なのかもしれません。

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