後継者

後継者が事業承継の中で作る会社のDNA 企業の発展には時間がかかる

一夜にして成功を遂げたかに見えるスターバックスは、1971年創業。
日本に初めての店舗ができたのが1996年ですから、そこまでの歩みは実に25年を費やしています。アップルもiPodという今のアップルの快進撃ののろしといえる製品を発売し、一気に規模を拡大し始めたのが創業から25年ほどたってからなのだそうです。

企業の成長には、時間がかかるのです。


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すべての事業においてとは言いませんが、多くの場合、企業が一定程度まで成長するには相応の時間がかかるようです。
冒頭にあげたスターバックスやアップルは、ちょうど25年目を境に社員数の増え方が一気に上がったそうです。
ある資料によると、スターバックスの社員数は25年目で16,000人だったのが、その後10年ほどで18万人越え。
アップルについては、25年目で9600名だったのが、その後約10年で10倍を超える98,000人。

25年目を境に、成長カーブが一気に立ち上がっています。

 

今、後継者が会社を継ぐべく頑張っている企業では、おそらく社歴が10年は超えているケースが多いでしょう。
それは、考えようによってはお金で買えないもの、つまり歴史をすでに持っている、ということになります。

 

ただ、無為に時間を過ごすだけでは、会社は成長しません。
当たり前ですね。
じゃあ、この時期に何をやるべきなのでしょうか?

 

私は、
会社のDNAを確定する
ということが後継者の大きな役割の一つではないかと思います。
今が小さな会社であれば、そこに会社のDNAが詰まっているはずです。
それを大きくするのは、そのDNAを複製していく行為です。
細胞分裂して増殖していく中で、このDNAが定まっていないと、ハチャメチャになってしまいます。

 

じゃあ、そのDNAって何なのだろう?
と考えてみました。

ある経営コンサルタントのホームページで見かけたのは、
「企業の目的は利益を得ることだ」
とありました。
私はそれを見て、ギョッとしました。
たぶん、それは、今の社会では受け入れられないでしょう。

少し話がそれますが、中国で食品加工会社がとんでもない混ぜ物をしていたり、工場排水をたれ流したりしている状況がよく耳に入ります。

しかし、1950年代~1960年代、日本でも公害病が問題になり、水質汚染が問題になった時期がありました。
つまり、程度の差こそあれ、同じことを日本もやってきています。
おそらく、その時期の企業の目的は、まさに
「利益を得ること」
だったのではないでしょうか。

利益を追求する、なんていうDNAが増殖してしまうと、今の時代がん細胞として扱われかねません。

 

とはいえ、ビジネスをやる上において、利益を度外視するなんて自殺行為です。
これを見ずして、崇高な理念を語ったところで説得感はありません。
そこで調べてみると、経営学者のドラッカー先生はこう断じます。
「企業の目的が利潤追求など、間違っているどころか見当違いも甚だしい」
利益は、目的というより、目的を実現させるための手段であるといいます。

たとえば、自動車が目的地をナビにインプットしても、燃料がなければ走ることができません。
その燃料こそが利益だということなのだと思います。

 

つまり、利益のほかに目指すべき目的地が必要なのです。
それがいわゆる、経営理念であったり、ミッションということになるのでしょう。
それを言語化して、会社のDNAとして定着させることが、後継者の役割の一つと言えそうです。
そのミッションと、会社の利益を結びつけるビジネスモデルの試行錯誤の期間が冒頭にあげた企業が要した25年という期間ではないか、と私は推察しています。

さて、その理念やミッション。
特に今の時代に感じるのは、今扱っている商品にこだわりすぎると、時代のニーズからは外れていく可能性があるような気がします。
私たちは、どんな商品を提供するか?という視点から抜けられないからです。
そもそも、顧客を中心に見たときに、顧客がどんな状態を望んでいるか、社会が何を望んでいるかを考えていく必要があります。

アップルはコンピューターを提供する仕事ではないし、
スターバックスはコーヒーを提供する会社でもありません。
自分の会社のルーツと、お客さんをどんな状態にしたいかというところを掛け合わせたミッション。
それを売り上げにつなげるビジネスモデル。
この二つを意識すると、会社のDNAが明確になりやすいのではないでしょうか。


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