後継者

後継者として人生の満足度を上げる方法

親の会社を継ぐ跡継ぎ・後継者・二代目社長のみなさんにとって、人生って何でしょうか?
実は会社の経営って人生そのものです。
なんとなくビジネスって、知識やテクニックで乗り切るイメージがあるかもしれませんが、どう生きるかという事と密接にかかわっています。
24時間の一日の中で、寝る時間と最低限の生活の時間を除いたほとんどの時間を仕事に関係した状態で過ごしています。
さらに言うなら、寝ている間でさえ会社のことが気になる人は多いと思います。
そう考えると、会社経営が人生そのものと言っても大袈裟とは言えないのではないでしょうか。

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ある後継者は、子供の頃から親の会社をつぐんだ、という思いで生きてきました。
大学進学は親の会社の役に立つ学部を選びました。
そして卒業後は近接業界で経験を積んで親の会社に入社しました。
無意識と言っていいくらい自然に、親の会社への道を歩んでいたようです。

しかし、実際の親の会社に勤め始めて、だんだんと違和感を感じるようになったと言います。
何かが違う。
彼は、親の会社の仕事そのものは嫌いではなかったものの、今の仕事の進め方を一生やっていくことになんとなくギャップを感じたそうです。
彼の親の会社は印刷業です。
いろんなところからの依頼をかき集め、印刷し、納品する。
日々のこういった業務の繰り返しに、なんとなく「自分がやりたかったのはこういうことではない」と感じ始めました。

日ごろの決まったお客様とのやり取り。
決まった作業の連続。
こなしていればとりあえずの生活や会社の安定は短期的には確保できていました。
しかし、自分がやりたかったことはこんなことだったのだろうか?という疑問を感じ始めたのです。

だからと言って、何かやりたいことがある!と胸を張って言える状態ではなかったのです。
そして何より、後継者として50名になる従業員の生活を守り、後継者として会社の業績を維持・向上させるべきだという強い義務感もありました。

私は悩む彼にこう問いかけました。
「もし、今自分の身に何かがあってこの世を去ることになったら、ああ、いい人生だったな、と思えますか?」
彼は、答えます。
「たぶん、いろんなことが心残りだと思います」
さらに私は問います。
「その心残りは、いつになれば解消されますか?」
彼は黙り込んでしまいました。

人は「何かを成し遂げたい」という目標を設定すると、それを達成できなければ「足りない」という感覚を覚えます。
世間的には人は目標を定め、そこに向かうべきという風潮がありますが、結果としての目標は常に足りない現在を意識させます。
目標は自分を動かすテクニックとしては有効なのですが、悔いのない人生を生きるという意味では逆に障害になることもあります。

そこで大事なことは、「いま、目の前のことに夢中になれているか?」という事が大事になります。
だから人生を楽しむにはまずは、目の前のことを楽しんで夢中になるという事が第一選択です。
しかし今やっていることにそこまで夢中になれないとすれば、別の方法を考える必要があります。
それはたとえば「目標」をテクニックとして使うとするならば、もっと高い目標を掲げる必要があります。

その目標というのは量的な目標であってもいいのですが、違った次元の目標を設定するというのが面白いのではないかと思います。
それは例えば新規事業を始めるとか、今の事業を活かすにしてもビジネスモデルを組み替えてみるとか、ルーチンを抜け出す創造的な仕事を創り出すというのがおすすめです。
目の前の仕事の難易度を上げることを検討してみてください。

実は目の前のことに一生懸命になることができると、結果はともかく一生懸命にやっているだけで満たされるものです。
つねに人生に対して不安や物足りなさを感じているとしたら、それは一生懸命になり切れていないからではないでしょうか。
そういった目で見たときに、たとえば一生懸命になれるような目標設定であったり、場合によっては一生懸命になれる物を探すという事も選択肢に入りますが、物ごとへの取り組みはイヤイヤやっていれば何をやっても楽しめないものです。いっそのこと、覚悟を決めて今を楽しめるように努力してみるのも一考です。
それでもやっぱりのめりこめないなら、別の仕事を生み出すことも検討してみる必要があるのかもしれません。

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