親が家業を営む後継者にとって、とても大事な「優先順位」のお話をしたいと思います。
ここでいう「優先順位」とは、仕事の優先順位ではありません。
人生における優先順位です。
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Contents
後継者という「宿命」
守るべきものを持って生まれた宿命
親が会社をやっているとか、商売をやってるとか言う場合、子どもは何となく「継がなきゃいけない」雰囲気が漂ってたりします。
兄弟がいたりすると、譲り合い的な視線のやり取りがあったり、第一子だから当然だろ、という空気があったり。
まあいろんな空気の中、好むと好まざるにかかわらず、誰かが親の仕事を継ぐことになりがち。
なんだか罰ゲームみたいに見えますが、私の知りあう人はそんな感じで「できれば避けたいけど、避けられないのが親の会社を継ぐこと」と考えている人が多いように思います。
これを逃げ切ることが難しい「宿命」と考えると結構重いですね。
よく映画やドラマであるのは、代々受け継がれた秘宝をまもる宿命を持った主人公という舞台設定。
かれらもまた、その役目の重さに思い悩んだりします。
家業を持つ家に生まれた後継者も、同じような思いを持つのかもしれません。
何を守るべきなのか?
事業承継とか、家業を継ぐとかいうけれど、実はぼやーっとしていて、わからないことが多すぎます。
親子で事業を引き継ぐとすれば何を引き継げばいいのでしょう。
みんな教科書的な答えは言えます。
けどその答えに反論することはそんなに難しくありません。
・事業を継ぐ(その事業、本当に未来永劫必要とされるもの?)
・顧客を引き継ぐ(あなたの会社がなくなっても、お客さんは一時的にしか困らないのでは?)
・社員を引き継ぐ(大企業さえリストラしまくってるのに?)
・志を引き継ぐ(その志って何?100字以内で述べられる?)
世の中では「リサイクルはいいことだ」というイメージがありますが、
リサイクルするために莫大な環境負荷を残してることも多いとお思います。
事業承継だって、承継するためにたくさんの負荷を残しがち。
だったら、そんなものやめちまえ、と私は時々思うことがあります。
優先順位を考えてみる
正直ベースの優先順位と建前的優先順位
普通、人が人生における優先順位をつけるとしたら、どんな感じでしょうか?
わたしならこんな風に考えます。
まず、自分があって、家族があり、会社があり、社員があり、顧客があり、仕入れ先や金融機関があります。
たぶん、そんなに特殊なものではないと思います。
じゃあ、後継者にとっての優先順位ってどうなるのでしょうか。
実は、中心に「会社」と「家族(親)」が来ます。
具体的に言うとわかりやすいと思います。
会社を継ごうか継がないかを迷っていることそのものに罪悪感を感じます。
自分を大事にする前提なら、まずは自分の意見のはずなのに。
会社を辞めようかどうしようかという時も、自分中心ではなく、親や周囲の人にどう思われるかばかり考えます。
つまりこの同心円上の、「自分」をもっとも軽く扱っています。
あ、一応つけくわえておくと、家族(自分の配偶者や子供)も、だいたいないがしろにされますね。
親が一番、妻子は二番。
これが後継者にありがちなパターンですね。
だから長男に嫁に行くのは嫌われるわけですね。
正直ベースの優先順位を「自分優先」としたいという思いがあって、
タテマエベースの優先順位は「自分をないがしろ」にしてしまう。
結果として、表向き建前が勝ってしまうんです。
その方がいい人というか、ちゃんとした人っぽく見えますから。
「ちゃんとしなくちゃ」という呪い
実は、後継者の方って、この「ちゃんとした人」でありたい欲求、けっこう高いです。
それが自分を苦しめているのは薄々わかっているけど、そうせざるを得ない。
少し言い換えると、だらしない自分を人に見せる勇気がないんですね。
そうしたら嫌われそうとか、相手にされなくなりそうとか、そんな恐れを感じているから。
そういう風に育てられてることが多いので、きちんとしてないとダメ、って思いこんでるわけです。
だから、「本当は気が進まない」ということより「立派に親の会社を継いだ息子(娘)」でありたいという気持ちが強いわけです。
けど、ちゃんとしてなきゃいけない欲求は、本来の自分らしさを隠してしまいます。
人間、デコボコがあって一人の人間なのに、いいところはほどほどで、そうでないところを隠そう隠そうとするわけです。
人は弱い部分を隠すのに精神力を使って、良ささえも削り取ってしまうことも多い生き物。
結局、自分では思うようなパフォーマンスを発揮できず、劣等感を抱え込むことも多いと思います。
もう一度考えてみたい自分なりの「優先順位」
親の会社を継ぐとか継がないとかいう表面上のことよりも・・・
私は子どものころ、いろんな職業に憧れました。
ブラック・ジャックに心酔して、医者を目指し、
手塚治虫先生の生きざまに触れて、マンガ家を目指し、
ポール・ニューマンの「評決」という映画を見て、弁護士もカッコいいなぁと思った。
洋楽にハマって、バンドデビューしたいと思ったり、
「夏への扉」という小説を読んで、超短編小説を書いたこともありました。
色々やりたいこと、なりたいものがあって、ふと思ったのは、
「どんな世界であれ、その世界の第一人者的な人であれたらいいな」
と思うようになりました。
たぶんですけど、手段はどうでもよくって、それなりに「凄い人」として名が知られたかったんだと思います。
皆さんがそうかはわかりませんが、たぶん、フィールドが変わってもそれなりに夢中になれるものはあるんじゃないかな、と思うことがあります。
それはもしかしたら、親の会社(というより会社がもつリソース)を使ってできることかもしれないし、そうでないかもしれない。
けど、どんな世界であれ、自分はその中でこうありたい、というちょっと抽象化した目標を見出すことってできそうな気もします。
仮に、親の会社を継がざるを得ないのであれば、そこで「自分が」輝く方法を探してみてはいかがかと思うのです。
会社を残すとか、そんな面倒なことを考えず、とりあえず私利私欲で生きてみてはいかがか?と思うのです。
けど世の中うまくできているもので、私利私欲を達成するには、私利私欲だけでは動かないことのほうが多いのですが(笑)
なにがいいたいかというと
色々話が散らかってきましたが、何が言いたいかというと、親の会社を継ぐとか継がないとかはどうでもいい話だと思っています。
それはあくまで、あなたが活躍するステージの選択なんですね。
ゲームでいうバトルステージってやつでしょうか。
水の都で戦うとか、炎の山で戦うとか、ゲームだといろんなステージがあるじゃないですか。
そのステージの選択なんだと思います。
そして大抵、ステージ選択はいったん苦手だからと「炎の山」を後回ししても、後ほどこのステージがやってきたりするもんです。
もし親の会社とあなたに深い縁があるのであれば、たぶん逃げても追いかけてくると思います。
とはいえ、その時々には、自分がやりたいと思う方を選んでいってみればいいんじゃないかと思います。
そして、そのステージステージで、技を磨き、自分の能力を開花してほしいと思います。
Good Luck!(カッコいい!)
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