本質的対立の芽生え【長い長いプロフィール(5)】

組織として、自分に最適化した前回リストラ断行!?【長い長いプロフィール(4)】のお話においては、私の最も大きなテーマが「営業の自動化」という事でした。
これは今も引き続き続いているミッションですが、その背景には家業である保険代理店という仕事には、常に営業社員の独立問題が取りざたされます。
その根本的な原因に対処しようと考え失敗した私と、結果を求める先代の対立が明確化し始めた時期のお話です。

この時、「おかしい」と感じたことがあります。
それは、営業という仕事に対しての違和感です。

当初、私自身が営業という仕事でつまづいた関係もあってか、このあまりに不思議な仕事を一歩離れてみていました。
たとえば、事務ができずにドロップアウトする社員はほとんどいません。
学生時代に、いろんなアルバイトをしてきましたが、先輩の指導の下仕事をして、上手く行かない仕事など他には一切ありませんでした。
しかし、営業だけは、どんなに指導されても、おしりをたたかれても、上手く行くものはいくし、行かないものはいかない。
その理由が知りたくて仕方がなかったのです。

というのも、私が営業という仕事でいきなり出ばなをくじかれたことは、その当時でも自分としての大きなコンプレックスだったからです。
さらに、営業社員が頑張れば会社の業績が上がり、そうでなければ業績が下がるのですから、会社としての責務はその必勝法を確立する事ではないか?と考えました。

 

当時、損害保険(主に自動車保険や火災保険)を扱う代理店であった私たちも、本格的に生命保険販売に取り組む入り口でした。
そこで考えたのが、営業のパターン化です。
自動車保険のお客様に、こういう話をすれば、一定の確率でお客様の現在の生命保険の加入状況を引き出すことができる。
さらに、その内容をもとに作成した分析レポートを説明すれば一定の確率で契約に至る。
こういったスキームを作り上げることを考えました。

これは見事に当たり、お客様の現在の保険加入状況を引き出せさえすれば、90%以上の確率で当社での契約に結び付く流れを作る事ができました。
さらなる効率化として、そのレポートをお客様に事前に送付し、読んでいただいたうえで電話でやり取り。
次の訪問の際には、ほぼ当社での契約希望内容も固まっている、という状況を作り出したこともありました。
現在は、法規制の関係でできない営業パターンですが、当時はこれで全営業社員の底上げができた形です。

ただし、お客様を一巡すると、そもそも現在の生命保険の加入状況を聞き出せるお客様が枯渇しました。
一気に生命保険の契約高は落ち始め、新たな顧客を開拓しなければならない状況になりました。
ここで、比較的大きな先代との衝突が始まります。
飛び込み営業でも何でもやれ!という先代と、そんなことをやって営業社員を潰してはいけない、という私。
真っ向から考え方が対立します。

 

新規開拓の手法はいろいろあります。
最も古典的なものの一つが飛び込み営業でしょう。
私に言わせれば、これで成果をあげられる人間なら、当社のような組織に属する理由はありません。
独立して、自分で事業を立ち上げればよいのです。

逆に、会社として「集客」を行う事で、営業社員にお客様をあてがう事が必要だと感じていた私は、大規模なDM(当時はまだホームページは一般的ではなかった)やアポイントをとるコールセンターが必要だと主張しました。
全てを営業社員に任せてもうまくはいかない、と。
激しい争いの後、DM作戦を展開しますが、これはあえなく撃沈。
大失敗です。
今から考えれば、あまりに稚拙な内容でしたから、それも仕方のないことかもしれません。

「いい加減楽をしようとせず、お客さんを回れ!」
という父の言葉に歯ぎしりをしたことを覚えています。

 

その後しばらくはおとなしくしました。
なんとなく、日常業務の中に埋もれることで自分を納得させ、変わったことはしないほうがいい、と。
小競り合いはあるものの、先代の言う事を聞いてるふりをしながら、思い出したように小さな実験をしてみる。
そんな日々が何年か続きました。

しかし、そんな折、事務社員が一斉に退職の意向を突き付けてきました。


私は営業という仕事が嫌いだし、営業社員がフルタイムで仕事をしていない(サボっている時間も多い)事を知っています。
この非効率な仕事でも、社内では稼ぎを作る部署だから大きな顔をする。
この構造が大っ嫌いでした。

営業社員というのはいい時はデカい顔ができるけど、良くないときはツライ。
そのこともよくわかるし、つらい時期があるからこそ、いい時には胸を張りたいという気持ちもわかります。

これは、場所をあらためて書きたい思っていますが、営業という仕事は「目の前に誰かが仕事を持ってくるわけではない」職種です。
沢山やるのも手を抜くのも自分のコントロール下にあります。
だから、モチベーションのコントロールが企業としての営業部門の切り札のように語られることがあります。

しかし、それはどうだろう?と思うのです。
結局個人の技量だけに頼っている時点で、組織としての体をなしていないし、個人の技量があるなら自分で事業をやればいいわけです。

じゃあどうするかといえば、営業社員に仕事を流し込む仕組みが必要なわけです。
そこに対する勉強をこの後始めることになります。
その初めの一歩として、始めたDMが大失敗(笑)
勉強不足だったことは否めません。

今から思い返すと、先代は一貫して「結果」を求めています。
手段はリアルな営業であれ、DMであれ当初はある程度寛容でしたが、この失敗を機に、リアル営業以外の手法を拒む傾向が強くなりました。
先代からすれば、私が一攫千金・起死回生の一発屋を目指しているように映っていたのかもしれません。
しかし、当時の私にとって「まじめに営業しろ」といわれるたびに、「アホちゃうか?」と心でつぶやいたものです(^^;

この辺りから、根本的な先代との考え方が違う事を認識し、対立を深めていくこととなります。

 

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  1. 2016年 12月 19日
  2. 2016年 12月 26日
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