事業承継を冒険に変える、後継者の知恵

【1】事業承継 冒険化計画 ~冒険の準備~

事業承継を冒険になぞらえて考えてみよう。
それが、このコラムのテーマです。
その狙いの一つは、あなたに”部外者”の目を持っていただくこと。

後継者は、とても精神的にきつい状況を経験します。
その渦中にあっては、吐きそうなくらいのストレスをお持ちでしょう。
しかし、リスクもなく、外野として、お気楽に事業承継を眺めてみる。
それが、本コラムの目指すところです。

冒険の準備

何を目指すのか?

冒険を始めよう!
そう思い立った時、何をはじめにするでしょう。
はい、そうですね。
目的地の設定です。

たとえば、インディー・ジョーンズのような冒険活劇。
ジャック・スパローの冒険もそんな感じでしたっけ。
いろいろな文献をあさり、ここにたどり着けば、お宝を拝める。
そのことがわかって、冒険物語が始まります。

ほかのパターンもありますね。
お宝は明確ではない。
あるか、ないかもわからない。
それがどんなものかもわからない。
その謎を解きながら、奥地へ進んでいく。
どうやら、そこには、かけがえのない何か、
もしくは世界を救う何かがある。

冒険で得られるお宝

冒険物語のパターンは様々です。
しかし、ほぼ間違いなくそこには旅立つ動機となる何かがある。
・金銀財宝の情報を手に入れた
・世の中を救う何かが最果ての地にある
・悪い奴に渡してはいけない強力なツールを探し出す
・身近な人が殺された背景にはあるお宝が絡んでいた
などなど。

バリエーションは豊かですが、共通するのは、
今まで何気ない日常を暮らしていた主人公が、
その生活を一変させるような世界に誘い出される。

結果として手にするお宝は、当初予定したものとは違っているかもしれない。
そもそもお宝が何なのかは、まったくわからないこともある。
それでも、追わずにはおれない何かがそこにある気がする。
冒険の始まりは、目的が伴います。
それも、ちょっとやそっとの目的ではありません。
世界を一変させるほどに、ワクワクするものでなければなりません。

まとめましょう。
冒険の始まりにあたっては、
ワクワクする目的が必要である。

冒険の準備のはじめの一歩です。

リアルな事業承継でのお宝

長い旅の始まり

事業承継は、後継者にとっては長い冒険の旅の始まりです。
きっかけは、さまざまでしょう。

・ずっと親の会社を継ぐつもりだった
・ほかの企業に勤めていたが体調を崩した先代に呼び戻された
・先代が急に亡くなり、やむを得ず代を継いだ
・就職した会社が合わず、ぶらぶらしているところを親に呼び戻された
などなど。

私が聞いた範囲でも、さまざまなパターンがあります。
ただ、共通するのは、それから何十年にわたって会社にかかわる。
非常に長いスパンのプロジェクトとなります。
長い長い旅路なわけです。

その旅の最終目的地、果たして決めているでしょうか。
おそらく、そこはぼんやりしていることが多いように思います。
あったとしても、引き継いだ会社をつぶさず、発展させよう。
そんな感じでしょうか。
それ、ワクワクしますか?
なんかいまいちじゃないでしょうか。

冒険の旅は、多くの場合、居ても立っても居られないほどの強い引力でお宝に引き寄せられて始まります。
しかし、事業承継は、どこか消去法的にここに来た、という感じがぬぐえないことが多い。
それ、仕方がないからとか、親のためにとか、自分の外に目的を置いてるからじゃないかな、と思います。
だから力がわかない。
そんな気がしませんか?

あなたにとってのお宝は?

ここで、一度自分に問い直してはいかがでしょうか。
親の事業を引き継ぐ先にあるお宝って何だろう。
じっとしてられないほど強力な魅力を放つゴールってどこにあるんだろう。
どんな苦難が押し寄せてきても、どうしても手に入れたいものって何だろう。

これは、ある人にとっては、莫大な資産かもしれません。
ベンツに乗るとか、豪邸を建てるとかということかもしれません。
しかし、実際は「物」である必要はありません。
会社を上場させるとか、支店を全国に作るとか、いろいろありそうですね。

ただ、ワクワクするためには、それなりにでかい目的がいいでしょう。
俺は、〇〇を通じて、世界を変えてやる!とか、
〇〇業界で世界を制覇する!とか、
エトセトラ、エトセトラ。

まあ、なんでもいいと思います。
ただし、条件があります。
その目的が、自分にとって、本当にワクワクするものである、ということ。
そして、その目的が達成した時の自分をイメージした時、しっくりくるということ。
なんか違和感があるんだよねぇ、というときは本当は違うことをやりたいのかもしれません。

なんとなくいい感じな場合は、イメージしているときの自分の顔がニヤついています。

とりあえず、そんな目的を仮に設定しましょう。
仮でいいんです、仮で。

様々な冒険物語では、
「金銀財宝を目指して冒険したが、見つけたものは全く違ったものだった」
というのはよくある話。
きっとあなたも、その過程で、当初目指していた宝とは違った何かを見つけることになるでしょう。

もし何も見つからないとしたら・・・

そんなことを考えてみても、何も見つからない。
もし、そんな方がいらっしゃったら、仮の目的をご提供しましょう。
「あなたの会社を1000年続く企業にする」
ことがあなたのミッションです。

1000年後、あなたの会社の社屋にはあなたの写真が掲げられています。
世界的にも珍しい、1000年続く企業。
その1000年の道のりを作り出したあなたは、社内ではもちろん、世界においても超有名人。
その1000年の歴史を作り出した2代目社長は、1000年企業の秘訣をこう語っていました。

「        」

この鍵かっこの間に入る言葉を見つけること。
これが当面のあなたのお宝です。
1000年後のあなたが語る、1000年企業の秘訣。
これを伝授されたあなたは、未来永劫発展する会社を作り上げることになります。
いかがですか?
面白いでしょ?

目の前に問題が立ちはだかった時、あなたはその問題に対処するのではありません。
会社を1000年永続させるために必要な方法を編み出すのです。

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