北見昌朗
様々な事を歴史から学ぶ、というのは一つのパターンだと思います。
特に、事業承継においては、一世代につき一回。
つまり、練習も、試行錯誤もなかなかできない環境があります。
実際は、一発勝負という訳ではありませんが、なかなか参考書というのはないものです。
本書はそんな方々のために、武田信玄という名将を世に輩出したにもかかわらず、その後継者の代で滅亡してしまった武田家についての研究です。
ただ、難しい歴史書というより、対話形式で進められる読みやすい内容です。
武田家の動きと、実際の現代の事業承継の事例を比較しながら進められる内容はなかなかに目がひきつけられます。
既に廃刊となっているようで、中古本のみの販売となっているようです。
最後にまとめとしてこのようなものがありました。
継がせる側のための十の教訓
一、子供に必要以上の金を与えて甘やかすな
二、子供に適性がなければ継がせるな
三、早くバトンタッチしろ。子供を何人も会社に入れるな
四、後継者に苦労をさせろ
五、任せた以上、後継者を信じて任せきれ
六、後継者がやりやすい体制を作れ
七、自分自身が健康に留意して長生きしろ
八、株式の分割をするな。後継者に株式を百パーセント譲るべし
九、相続税対策を講じておけ。遺言を残せ
十、親族に継がせたければ会社を大きくし過ぎるな継ぐ側のための十の教訓
一、継ぎたくなければ継ぐな
二、先代から謙虚に学ぶべし
三、先代の幹部に謙虚に接すべし
四、社史もしくは父母の自分史を作れ
五、現場で汗まみれになって仕事を覚えろ
六、新たな事業を創業しろ
七、自分の幹部を作れ
八、早く結婚して、次の後継者を育てろ
九、おおきな会社ならば妻を入れるな
十、事業の見込みがなければアッサリと止めろ
すべてにおいて賛成するわけではありませんが、良く出来た教訓だと思います。
もしご興味があれば、探して手に取ってみてください。
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