親が会社を経営していると、お金との付き合い方って、サラリーマン家庭とは少し違っていることが多いと思います。
特に、創業社長の場合、けっこうお金に困る経験をした後に、けっこうなお金を手にするという体験をされた方も多いと思います。
そして、後継者はそういった親のお金とのかかわり方を割と受け継ぐことが多いと思います。
そこで、親がもっていたお金の常識感にいろんなことが引っ張られている可能性もあるのではないでしょうか。
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私の父は、農家の末っ子として育ち、集団就職で大阪にやってきました。
若いころは、あまり多くない収入の中で、母と結婚し、私達男ばかり三人兄弟を育ててくれました。
その過程で、手狭になったアパートを出たいとか、子どもにちゃんとした教育を与えたいとか、そんな思いもあって、お金をとても大事にしてきたようです。
とにかく必死に働いて稼ぎ、それを必要な事には惜しみなく使う。
起業当初は、飛び込み営業でビジネスを作り出した人なので、足りなければもっと頑張ればいい、という思いでやってきたのではないかと思います。
一方、私の母はそんな父とは反対で、限りある収入で家計を切り盛りしなければなりません。
だからとにかく、節約です。
出し渋りも少なからずあります。
これはきっと父とのバランスをとっていたのだと思います。
会社組織になってからも、父は唐突にお金を使うこともありますが、母はそれを制止する役目。
そんなバランスでやっていました。
さて、長男である私は、やはり同じ時間を過ごすことの多い母の影響を受けがちです。
いつもは母は、お金がない、お金がない、が口ぐせです。
会社で私が専務になり、社長になっても、お金がないという事で、色んなお金の出口を締めようとします。
父はそれを無視して突き進みましたが、私はそういうわけにもいきません。
ここでバランスが崩れてきます。
私は父のように、飛び込み営業ですべてを作ってきたわけではありません。
父が作ったものを守り育てる役割。
ましてや、仕事の経験も浅く、会社には自分より仕事ができる人が何人もいるなかで、後継者って自信が無かったり不安だらけだったりするわけです。
そこに経験豊かな母親からお金がない、なんていわれると、やっぱりドキドキして不安が増大します。
結果として、お金とちゃんと向き合えず、そこから逃げようとしたりしがち。
父のエネルギーには及ばないし、母のお金がないの洗脳に胃がチクチクし、なかなか後継者の心中って混沌としています。
で、大事なのは、受け入れることです。
お金が足りないなら足りないで、ちゃんとそれを直視することです。
そして、「ああ、足りないんだな」という事を受け入れ、足りないことを覚悟すること。
そうやって現状を受入れると、思考が変わってきます。
純粋に営業を頑張るしかないのか、それ以外の方法があるのか。
父の価値観、母の価値観を俯瞰して、そこに流されるというより、じゃあ自分はどうなんだろう?という事と向き合ってみると、お金と自分の付き合い方の癖が見えてきます。
そしてそれはビジネスの進め方と直結します。
ついつい安売りしてしまうのか、とかですね。
こういった心の引っ掛かりは行動に出てきます。
良くよく観察してみてはいかがでしょうか。
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