【6】事業承継 冒険化計画 ~後継者の人としての成長~

事業承継を冒険になぞらえて考えてみよう。
それが、このコラムのテーマです。
その狙いの一つは、あなたに”部外者”の目を持っていただくこと。

後継者は、とても精神的にきつい状況を経験します。
その渦中にあっては、吐きそうなくらいのストレスをお持ちでしょう。
しかし、リスクもなく、外野として、お気楽に事業承継を眺めてみる。
それが、本コラムの目指すところです。

数々の試練

ピンチを経験し人の能力が発揮される

前回は、嵐との遭遇。
冒険に出たら途端に嵐にあうもの。
そんなお話をしました。
(詳細は前回のコラムをご参照ください→【5】事業承継 冒険化計画 ~クルーとの身の上話~

いきなり嵐に巻き込まれ、命からがら嵐の海を通り過ぎる。
そして、冒険の旅の出発当初、気の合わないクルーとの身の上話を語り合う。
前回はそこまでのお話でした。

これからが本当の冒険の旅。
嵐が過ぎ去った海は静か。
よし、行くぞ!
そう思った矢先、問題は絶え間なく起こります。

水や食料が嵐で流された。
クルーに病人が出た。
船の操縦がきかなくなった。
冒険の旅に、安息の場はありません。

出発前に準備したものの多くは失われる。
自分の手元にあったものは、海に流された。
もはや行くことも、戻ることもかなわない。

そんな時に、仲間の特殊能力が次々と発揮される。
海水を真水に変える方法を編み出したり、
魚をとる方法を知っていたり、
病人の看病をしたり。
ピンチを一つ切り抜けるごとに、
チームはお互いの信頼を高めていくのです。

主人公の学び

この辺りで、主人公はあることを学びます。
過去に自分がいた場所と、
今いる場所の違いです。

それまでは、手を伸ばせばあったものが、
この世界ではそれがない。
それを自分たちで作り出す必要がある。
また、それは自分だけではできない。

主人公は自分の無力感を感じる半面、
チームのために自分がしっかりしなければならないと、
決意を固める。

そして、このチームの中で、
自分が果たすべき役割は何かを
真剣に考え始める。

独りよがりにはなっていないか?

後継者が社内でうまくいかないとしたら・・・

今回の話を、リアルな同族経営の後継者の視点で見てみましょう。
スタートの時点で、後継者は自信がなかったし、怖かった。
しかし一定程度の経験を積むと、自分の努力をかさに、
周囲の人をどこか見下す部分はないでしょうか。

自分が正しい(だから相手は間違い)
自分がよく知っている(だから相手は無知)
自分ならうまくできる(だから相手は十分ではない)
などなど。

これ、独りよがりになってしまうパターンですね。
それはある意味仕方がない部分があります。
後継者は第一子であることも多く、
「一人で何でもできるようになりなさい」
と育てられるからです。

それはそれでいいのですが、
会社の経営となると一人でできる範囲を超えていきます。
ましてや会社を成長させようとするなら
なおさらです。

このステップでは、後継者自身の「人」としての成長が求められます。

2つのチェック

では一体どんな成長が必要なのでしょうか。
ポイントは2つあります。
1つは、過去の価値観を精査せよ、ということです。
物語にある通り、新たな世界では過去の価値観は通用しません。
過去の世界から持ち込んだ、水も食料も流されてしまいました。
一旦それらを失うことで、彼らは自分たちで作り出す方法を学びました。
事業承継でも同じことが起こりうる、と考えておく必要がります。

たとえば、あなたが成長過程で獲得した
「一人でやらなければならない」
といった価値観もあるでしょう。
「私たちの仕事は、こうでなければならない」
という価値観もあるかもしれません。

これらをいったんリセットし、もう一度構築していく。
そして、仲間を頼るとすれば、当然、彼らとのコミュニケーションの方法も
見直す必要があるのかもしれません。

仲間との出会い

多くの場合、一般的な映画のストーリーでは、ここで仲間と出会います。
旅する過程で、個性豊かな仲間と知り合い、未来の物語を紡いでゆく。
しかし、会社という閉鎖された空間では、あらたな社員と出会う、というより、別の出会いがあります。

それは、社員一人一人の個性との出会いです。
多くの場合、今の会社の仕組みの中に、人を当てはめていくのが今までのマネジメント。
しかしこの機会に、その社員の特技に合わせて会社を変化させるといった事を考えてみるのも面白いかもしれません。
一人一人コミュニケーションをとっていくと、意外な才能を持っているケースがあるものです。
その能力を知ることなく、単なる作業員として、単なる事務員として、単なる営業社員として、
機械の部品のように社員を配置していることはないでしょうか?

会社の仕組みに人を組み込むのではなく、
人の能力に応じて会社を変化させる。
これが二つ目のポイントです。

このことをやるためには、後継者自身の考え方や視点を大きく変える必要があります。
そんな視野を獲得した時の後継者の成長は目を見張るものがあるはずです。

 

 

事業承継 冒険化計画 もくじ

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