なぜこのようなブログを作ったのか?【長い長いプロフィール(最終回)】

「長い長いプロフィール」シリーズの最後を締めくくるにあたって、私がなぜこのブログを立ち上げたかについてお伝えしたいと思います。

現在に至るまで、私自身の問題、親子の問題といった事で様々な悩みを抱えてきました。
そんな中、どんなに探してみても、後継者に参考になる情報が全くと言っていいほどないのです。
たとえば、事業承継というキーワードで検索してみますと、後継者を「いかに先代の縮小コピーにするか」といった情報ばかりが出てきます。
あくまで主役は先代、後継者はその追従者。

WEBであれ、書籍であれ、それは当然の成り行きです。
こういった媒体で情報発信するのは、それがビジネスとして成り立つからにほかなりません。
とすれば、会社の実権も、お金も握っている先代にアプローチするのが正しい。
また、資産の移転などもそのほとんどは決定権が親にあるわけですから、そちらに訴求しなければ意味がありません。

 

その結果、当時、私自身が後継者としての道を歩む中で、参考にできる情報源がほとんどなかったのです。
ならば、という事でアメーバブログで「二世経営者の会社改造計画」というブログを書き始めたのが2003年ごろの話。(今はこのブログはすべて削除してこの世に存在しません)
内容の多くは後継者の叫び(私自身の愚痴?)をつづったもので、恥ずかしい内容でしたがそれがきっかけで、小さなビジネス誌にご紹介いただいたり、いくつかの媒体で小さなコラムを持つようにもなりました。

当時、これを本格的な事業にすることはあまり考えていませんでしたが、2011年の東日本大震災を機にある考えが頭を離れませんでした。
それは、私たちの生業である「保険」というビジネスが、もはや今の形で存続することはありえない、という考えでした。
この考えが正しいか、間違っているのかはともかくとして、このままでは父から引き継いだ会社の存続は危うい。
次のステップに踏み出さなければならない、と考えるようになりました。

そんな中、数名の有志と作った会社を起点に、父の会社のビジネスモデルの転換に着手しました。
さらに、そのビジネスモデル転換に取り掛かる中で学んだ事の一つは、自社商品を持たない事の脆弱さでした。
ならば、私自身の経験が、商品にはなりえはしないだろうか?
そんな思いがつのり始めました。

とはいえ比較的軽い感覚で、このブログを立ち上げました。
「お試し」程度の感覚です。
少しずつ記事を更新する中で、ポツリポツリと問い合わせが入り始めました。
私はその問い合わせに後ずさりしました。

ある時は、伝統芸能を親子で修めた方からのご相談。
もはや修復不可能となった親子の断絶の様子を、切々と語っておられました。
ある時は、経営の継承が上手く行かず、別の会社を立ち上げた後継者。
この方は、私のブログを見て、自分の事ではないかと涙が止まらなかったそうです。
なかには、命を絶とうとさえ考えた人さえ混じっていました。

 

しかし、残念ながらこういった状況に対して、私ができることはほとんどありません。
なにしろ、そういったシーンを切り抜ける方法をノウハウ化できたわけでもなければ、カウンセラーでもありません。
「こんな重い話、私にはとてもではないけど対処できない」と逃げ出したくなりました。
その一方で、せっかく会社を興した親がいて、それを継ごうと考える子供がいて、本来進むべき道は同じ方向であるのに、なぜここまで事業承継は上手く行かないのか、という憤りは日に日に強くなってきます。
とはいえ、何とかこの深い問題を解決に導く方法を探り、広めることはできないのでしょうか。

経営の継承において、販売手法や、資金繰りといった、今先代がやっている事をそのままできる、もしくはブラッシュアップするための知識やスキルを教える機関はいくつかあるようです。
こういった事に対する不安を持つ後継者もいますが、最も頭を悩ますのは実は先代との関係の部分であるように私は感じています。
私がその部分を提供できないか?
そんな事を強く考え始めたのは、数年前の事でしょうか。

 

ところで、世の中を変えるのには、善意の集積ではなかなかうまくいかないことが多い、と感じています。
事業として収益を追い求める結果が、こうありたいと思える世の中へ向かう形となることが必要なのだと思っています。
この後継者への情報提供もまた、私の隙間時間を利用したボランティアでは出来ることは限られてきます。
こういった問題解決を行うために、私の時間の大半をつぎ込むためには私の収入が確保できなければ続ける事はできません。
だから、後継者に向けたサポートもしくはコミュニティを有料で行う形を作り上げ、事業として成立するものでなくてはならない、という結論に至りました。

 

嘘偽りない話をすると、2016年12月時点で、「こうすればああなる」的な断定的な答えは見つかっていません。
ノウハウ化というにはほど遠いものの、経営の継承における最大の問題の根っこにあるものは見えてきていると確信しています。
その成果は、今後のブログでも発信していきたいと思いますが、近々何かしらの提案を世に問う事ができるのではないかと考えています。

 

経済産業省の資料によると、創業100年を超える企業は欧州で約6,000社、米国で約800社に対し、日本では2~3万社存在するといわれているそうです。
その多くがいわゆる同族企業。
米国における調査では、景気後退期をはさむ時期の動向において、ファミリー企業は利益の減少は多かったものの、売り上げを伸ばし、雇用も伸ばしているといいます。
毎期毎期の業績を株主に監視されている大企業では、短期的な戦略が最優先されますが、ファミリー企業は長期的な価値提供を腰を据えて行う事が出来る貴重な存在です。
たまたま、現在、社員の採用面接を行っています。
すると、40歳代、50歳代の方たちが、元の勤め先を「業績悪化のため」追われ、次の就職先を探すのに何十社も面接を受けるものの、採用されないという何とも切ない話を耳にします。
こういった人たちが、活かされるのもファミリー企業の多い、中小企業においてでしょう。

 

今の時代にファミリー企業の根を絶やすことは、日本経済の構造を大きく毀損する事だと私は考えています。
それが望ましい未来なら悪い話ではないでしょうが、どうもそうとは思えません。
日本のファミリー企業を守るためには、これからのファミリー企業を担う後継者がその才をいかんなく発揮できる環境が必要です。
その火をより大きくともすために、こんな私に何かできることがあるなら、と思い立ったのがこのブログの最大の目的です。
誇大妄想といわれても仕方がありませんが、後継者のサポートを通じて日本の経済を支えたい、というのが今の私の想いです。

まだまだ道半ばではありますが、応援いただけると嬉しく思います。

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